2022.06.28

日本にまん延しているのは「格差」ではなく「格差感」

「1億総貧困化」に向かう日本    
「格差是正」が選挙の争点になるほど、格差の拡大が危惧されている。しかしデータを見ると、実は日本の格差は縮小傾向にある。日本にはびこっているのは「格差」ではなく「格差感」。こう主張する永濱利廣氏(第一生命経済研究所 首席エコノミスト)の分析を、新刊『日本病――なぜ給料と物価は安いままなのか』から紹介する。

日本の格差は広がっていない

日本の格差は広がっていない。実際は、むしろ格差自体は縮まりながら、皆が貧しくなっているのだ。

家計調査を見ると、確かに「年収200万円未満」の世帯の割合は増加傾向にある。しかし同時に、「年収1500万円以上」の世帯の割合も減っていることがわかる。

図:二人以上の世帯を年収階層別に区分けし、 区分けの最下位である「年収200万円未満」と、
最上位である「年収1500万円以上」が、それぞれ全体の何%を占めるかを表したもの。

所得分配の平等・不平等を示す指数である「ジニ係数」も、2010年代半ば以降下がっており、日本では所得格差が縮まっていることを示している。 富める者がより富み、貧しい者がより貧しくなることで格差は生まれる。しかし目立った新しい産業も生まれず、「低所得・低物価・低金利・低成長」が続く(これを私は「日本病」と呼んでいる)日本は、富める者も貧しい者も貧しくなる「1億総貧困化」に向かっているのだ。

 

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