連合が自民に近付いて行っているのではなく変わったのは向こうの方

連合はどこへ行く-神津前会長に聞く1
参議院選挙を前に、野党の立憲民主党、国民民主党は選挙協力、政策協調を巡って必ずしも足並みがそろわない。一方、最有力支持団体である日本労働総連合会(連合)と与党・自民党の接近が取り沙汰されている。連合は変わってしまったのか。現在の日本の労働問題の本質から労働組合のあり方まで、連合前会長の神津里季生氏に、作家で社会保障問題評論家の山本一郎氏が聞いた。

連合は変わってしまったのか

山本一郎(以下、山本):連合と政権与党である自民党との距離が近づいていることについて注目が集まっています。実際のところはいかがでしょうか。

神津里季生(以下、神津):今の連合と、自民党、とくに宏池会系のメンバーとは、歴史的にも政策理念の距離が近いというのは事実です。そうでなくても政策要請を含めて、ときには食事をしながらさまざまな話をさせていただいています。連合のスタンスは変わっていません。あくまで一貫しています。変わったのは、麻生太郎さんたちの方なんですよ(笑)。

4月28日、自由民主党の「人生100年時代戦略本部」のヒアリングに出席する芳野友子・連合現会長(中央)

山本:麻生太郎さん、国民一般からの人気は乏しいですが政策は柔軟で、賃上げ重視の政策に切り替えた結果、いきなり連合に対し「自民党と一緒に労働政策を勉強する気はないですか」って言い始めましたからね。

 

神津:私はもう連合の立場を代表する存在ではありませんが、連合的なものの見方で言えば、要するに、働く人たち、生活者本意の政策を実現してくれるのであれば、その政治家が、どこの党、どこの派閥に所属していようと構わないということなんです。

今後の自民党について言えば、岸田さんが、どちらかと言えばリベラルな考え方を持つ宏池会らしさを発揮して、雨漏り補修的な、つぎはぎの政策ではない、家を建て直すような政策を打ち出せるかどうかが重要だと思います。数年後にふりかえって、岸田さんが「黄金の3年間だった」と胸を張れるかどうかは、そこにかかっていると思いますね。

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