ヤクザを超えた「半グレ」の頂点・怒羅権 初代総長の告白 「差別を受けた私たちがすがったもの」【2022年上半期ベスト記事】

2022年上半期、現代ビジネスで反響の大きかったベスト記事をご紹介! 以下は、3月12日公開《ヤクザを超えた「半グレ」の頂点・怒羅権 初代総長の告白 「差別を受けた私たちがすがったもの」》の再掲載です。

2月に発売された書籍『怒羅権初代 ヤクザが恐れる最凶マフィアをつくった男』(宝島社刊)が話題だ。これまで数々の凶悪事件を引き起こし、関東連合とともに半グレ世界のツートップとも言われてきた怒羅権の歴史と実態が生々しく描かれており、関係者の間にも衝撃が走っているという。

著者の佐々木秀夫(52歳)は怒羅権の創設者にして初代総長。現在は裏稼業から足を洗い、大工として働く傍ら、ユーチューバーとしても活躍中だ。

彼はこの本で何を伝えたかったのか。これまでさまざまな噂、伝説が飛び交ってきた怒羅権とは何なのか。本人の口から語ってもらった。

自らの存在証明のために書き記した「被差別と暴力」

「いい歳したおっさんが昔のやんちゃ自慢なんかして恥ずかしくないのか」
「お前らのやってきたことは犯罪だ」
「被害者たちの気持ちを考えろ」

現在YouTuberでもある佐々木秀夫が動画をアップするたびに、こうした批判コメントが必ず寄せられる。佐々木はそれを重々承知の上で、怒羅権に関するさまざまな事件やエピソード、知られざる裏側を、これまで可能な限り自身のチャンネル内で語ってきた。

そして今回、書籍という形で改めて佐々木視点の「怒羅権ヒストリー」、「怒羅権史観」をまとめ上げ、世に問うこととなった。そこには彼らが起こしてきた事件の数々や非合法な経済活動など組織の闇も多く描かれている。佐々木はなぜ、このコンプライアンス重視時代の今、敢えてこのような本を出そうと思ったのか。

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怒羅権発祥の地、東京都江戸川区葛西駅近くの中華料理店で佐々木は雄弁に語った。

「政治や経済、真っ当な文化は歴史として記録され、後世に残る。でも怒羅権のようなアウトサイダーの歴史をきちんと記録してくれる歴史家はいない。メディアではたびたび取り上げられてきたが、勘違いや作り話も多い。だったら当事者である僕自身が書き残しておく意味があるはずだ。

 

中国残留孤児とその子どもたちが日本で差別や不当な扱いを受けてきた歴史。そして20世紀後半から21世紀にかけての一時期、たしかに怒羅権という一群がこの日本に存在し、いいことも悪いことも含めて、懸命に生きてきた男たちがいた。自らの存在証明として、僕は怒羅権というものをちゃんと書き残しておきたかったんです」

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