7つの橋
今日、7月7日は七夕です。
七夕といえば、天の川を思い浮かべますね。年に一度、彦星と織姫が天の川を渡って会う話がありますが、今回は、夜空に流れている天の川ではなく、ケーニヒスベルクに流れているプレーゲル川を渡る話を考えてみましょう。
ケーニヒスベルクは中世後期から東プロイセンの中心都市でしたが、1945年以降は旧ソ連およびロシア連邦のカリーニングラードとなり、現在にいたっています。哲学者・カントが住んでいた町としても有名です。

プレーゲル川には、次に示す図のような7つの橋がかかっています。

そして、町の人たちは
7つの橋を一度だけ渡って、すべての橋を渡ることができるか
という問題を考えていたという話が伝えられています。
しかし、なかなかうまくいきませんでした。
オイラーの慧眼
この問題を解決したのが、18世紀の数学者・オイラーです。

オイラーの慧眼は、この7つの橋を渡る問題を、次のように言い換えて解決したところにあります。川で仕切られた4つの陸地にそれぞれ点を取って、図に示す点線のように結びます。

「7つの橋を一度だけ渡って、すべての橋を渡ることができるか」という問題は、点線で示された図を、同じ線を2度書くことなく、一筆ですべての線を書くことができるか、という問題と同じになります。
つまり、ケーニヒスベルクの7つの橋の問題は、点線で示された図が一筆で書けるか、という問題です。これをどう解けばいいでしょうか。