「ステルス株主」
2003年に河南省の蘭考から沈邱までの蘭尉高速道路建設を引き受けた建設企業のオーナーが呂奕で、この高速道路の使用料金を抵当に銀行から道路建設資金を融資してもらった。
その一部を金融機関の株に投資、さらにその株を抵当に融資をうけて、別のプロジェクトに投資、という具合に資金を増やしつつ、銀行金融業の内部に浸透していった。
こうして一種の「ステルス株主」のような形で河南の金融界を牛耳るようになっていった。例えば、呂奕はかつて鄭州銀行副行長の喬均安から900万元を融資してもらい、その後より多くの融資を得るために、賄賂2300万元を喬均安に渡したという。
そうして二人で利ザヤを得る裏ビジネスをしはじめ、喬均安が銀行の批准を出し、呂奕が融資を受けて、それを関連企業に貸すという仕組みが形成された。
ところで、6月17日、中原銀行株式有限公司の副董事長、魏傑が厳重な規律違反で取り調べを受け、免職となった。
魏傑の解雇理由は明らかにされていないが、この件が河南の村鎮銀行問題とリンクしているとみられている。