米国はウクライナで台湾・朝鮮半島危機の予行演習を行っている

これが日本の脅威・中北露抑止の戦略か
阿久津 博康 プロフィール

北の核ミサイル脅威に日本は後手の対応

北朝鮮の核・ミサイルの脅威へは、有効な手段は実質的にはとられていない。弾道ミサイル防衛については、安倍政権末期にイージスアショアの配備計画が撤回されてしまった。そのため、巡航ミサイルへの対応も可能なSM6導入の可能性もなくなってしまった。

防御だけでは不十分であり、よって攻撃能力を保有することで抑止能力を向上させるべしとして、反撃能力の確保が議論され始めた。しかし、それもやっと緒に就いた、に過ぎない。

どうせ反撃能力を確保するなら、防御の方も継続して強化策を議論すべきである。盾と矛の両方において能力を強化しようという総合的発想が欠けたままなのは、不自然極まりない。

筆者であれば、弾道ミサイル防衛についてはこれまでの中間段階・終末段階での迎撃のみならず、発射段階(バースト・フェーズ)での迎撃能力の確保をも提案するであろう。この点については、特に、米国と協力してABL(ミサイル迎撃用空中発射レーザー)およびKEI(運動エネルギー迎撃弾)の獲得を追求すべきである。

 

反撃能力を追求するのだから、敵のミサイル発射段階での迎撃能力は無駄ではないか、という反論もあり得るが、「専守防衛」に固執するのであれば、ミサイル防衛能力を満遍なく追求しておくことは非合理的なことではない。

また、核シェアリングをめぐる議論ついても、シェアするかどうかを決めるのは日本ではなく米国である。核シェアリングの在り方を議論することに加え、どうしたら米国が日本への核シェアにイエスというか、そこを真剣に議論すべきである。つまり、日本が信頼に足る同盟国であるのか、本当に「自らを助く」同盟国であるのか、米国にどう説得するか、政治家はその点にも配慮すべきであろう。

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