副社長がインサイダー疑惑で辞任…企業の守護神「IRジャパン」は市場と投資家の不信から脱却できるか

伊藤 博敏 プロフィール

「夜の交際」から生まれた可能性

株主総会の直前、証券取引等監視委員会の強制調査を受けて、株価が暴落した企業がある。株主判明調査をもとに、アクティビスト(物言う株主)対応まで手掛けるコンサルティング会社のアイ・アールジャパンホールディングス(IRジャパン)だ。

証券監視委の強制調査は会社に対するものではない。同社副社長の栗尾拓滋氏(55歳)が、知人2人に対して行ったとされるインサイダー取引に関し、金融商品取引法違反容疑で栗尾氏の関係先として調べを受けた。

栗尾氏は、6月3日、一身上の都合で代表取締役副社長・COO(最高執行責任者)を辞任。6日、会社側は元検察官の弁護士からなる調査委員会の設置を決め、同日、マスメディアがいっせいに報じ、株価は急落した。

IRジャパンのウェブサイトよりIRジャパンのウェブサイトより

栗尾氏は野村證券出身。法人営業を中心に歩んだ証券のプロで、2013年4月、IRジャパンに転職した。

「野村の法人営業出身者らしく、よく働き、よく遊ぶ。交際範囲が広く、夜の接待も厭わない。独身でカネがあって座持ちがいいからよくもてる。銀座の高級クラブには行きつけの店も少なくない」(証券界の知人)

今回のインサイダー取引は、そんな「夜の交際」から生まれた可能性が高いという。

問題となったのは、IRジャパンが21年4月16日に公表した業績下方修正である。

《売上高は8%増の82億円、営業利益は13%増の40億円とそれぞれ14億円、6億円下方修正した》(日本経済新聞)

増収増益ながら下方修正。この数字にマーケットは反応、発表日の終値は1万6000円台だったが、翌営業日の終値は1万3000円台に急落した。

 

当時、IRジャパンの株価は右肩上がりで上昇しており、それだけIR(投資家向け広報)やアクティビスト対応を軸に、投資銀行業務を充実させていた同社への市場の期待値は高かった。その分、下方修正は大きな下げ要因となったのである。

この重要事実を知った栗尾氏の知人2人が、下方修正発表前にIRジャパン株を売却。損失を回避したわけだが、証券監視委は飲食を共にするなど個人的交際を続けてきた知人2人が、栗尾氏の情報をもとに株を売却した疑いを強めている。

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