赤ちゃんの集中治療室「NICU」という現場
この仕事をする中で、自分の価値観の中で大きく変わったのは「死生観」です。自分はもちろん妻や3人いる娘たちや友人はいつ死ぬか分からない、死は突然やってくる。家族と送ってる日常生活の中で、このバイバイが家族との最後の挨拶になるかも知れない。実はそう思って日常を生きています。
上記は、5月末に新生児科医の今西洋介さんに寄稿いただいた『新生児科医が見た”赤ちゃんの看取り”「親に抱っこしてもらわなかった子」は出さない』という記事の中の一文です。この記事と4月に同じく、今西さんに寄稿いただいた『漫画『コウノドリ』監修の新生児科医が伝える「出産は安全である」の誤解』という記事。ともに、産まれて間もない赤ちゃんの生死について、医学的なデータをもとに、今西さんが新生児科医として向き合ってきた想いを書いていただきました。
『コウノドリ』7巻「NICU」全ページ一挙公開>【公開期限:2022年6月28日~2022年7月4日23時55分】
今西さんは、漫画『コウノドリ』の取材協力もしていて、ドラマで大森南朋さんが演じた新生児科医「今橋貴之」のモデルになっています。
「赤ちゃんについてのお話というと明るいテーマが多いですよね。ちょっと重たいテーマなのですがよいですか?」と今西さんも寄稿してよいのか最初迷ったようでした。ですが、実際記事を公開すると、
「うちの子も未熟児で生まれて、NICUの先生方にとてもお世話になりました。毎日不安だったけど、先生や看護師さんたちに支えていただきました」
「うちの子もNICUに入りました。こういった現実があることも知ってほしい」
「元気に無事に産まれてくるって、とてもすごい事なんだね」
「こどもが元気でいてくれるって、本当に奇跡」
「産科や小児科の医師になりたい人だけでなく、医療現場で働きたい人は読んでおきたい記事です」
といった感想をたくさんいただきました。
その中でも多かったのが、マンガ『コウノドリ』の中で描かれていたNICUのエピソードに泣いた、また漫画を読み返したくなったという声でした。
今回、そういった声があったことをモーニング編集部と漫画家の鈴ノ木ユウ先生にお伝えしたところ、NICUのエピソードが掲載されている『コウノドリ』7巻1冊をまるっと1週間限定で試し読みさせていただけることになりました。
『コウノドリ』のエピソードはどれも周産期医療のリアルな現場を描いていますが、その中でもこのNICUのエピソードは反響が大きかったといいます。ドラマでは、シーズン1の9話目にあたります。鈴ノ木先生のとっても印象的なエピソードで、『コウノドリ』の連載を開始してから、最初の長い展開(1巻まるまる)となった作品です。
今西さんの記事とともに合わせてマンガを読んでいただけるとより深く周産期医療、新生児科という医療現場が理解できるはずです。