親の住宅ローン1300万円の「返済肩代わり」を頼まれた35歳娘、彼女に残された「選択肢」
義男さん(仮名、67歳)は元会社員、妻の弘美さん(仮名、62歳)、それと別に暮らす一人娘の江美さん(仮名、35歳、会社員)のご家族がいる。FPである著者のもとに、娘の江美さんから「親が住宅ローンを払えなくなった。肩代わりを頼まれたのだが大丈夫だろうか」という相談があった。
なぜこの夫婦はローン破綻を迎えてしまったのか。【前編】「定年後67歳で愕然「1300万円のローン残債」が払えなくなった…35年ローンの「落とし穴」」では、そもそも35年というローンの「返済期間」が危うさをはらんでいることを指摘した。以下では、それならば、家を買う・住宅ローンを組む際に何を重視すべきか、さらに、この家族のゆくえについて紹介する。
※FP相談を元にしてありますが、プライバシーに配慮して大幅に内容は変更しています

初めて家を買うときの「3つのポイント」
家を初めて買う時点の重要ポイントは次の3つ。
(1)身の丈にあった物件を選ぶ
(2)60歳までに住宅ローンを完済する
(3)30年後を想像する
まず「身の丈にあった物件」というちょっとよくわからない問題から。
持ち家が欲しくなるのは、賃貸で家賃を払い続けることに何となく不安を感じる頃だ。独身や子供のいない夫婦なら「老後も賃貸か?」と思うし、子供のいる人はいずれ子供部屋が欲しくなる。賃貸は手狭でファミリー向けの良い物件もないと考える。年齢にすると30歳後半~40歳前半の頃だ。