2022.06.24
# マンガ

【マンガ】他人との間に壁を作ってしまう…クラスで浮いた女子高生が“救われた”ひとこと

『兄の嫁と暮らしています。』(スクウェア・エニックス)、『笑顔のたえない職場です。』(講談社)など、様々な女子たちの“関係性”を描き続けてきた漫画家くずしろさん。その最新作であり、SNSで話題を集めている『雨夜の月』が「次にくるマンガ大賞 2022」にノミネートされたことが発表されました。

「次にくるマンガ大賞」とは、ユーザーから「次にくる」と思うマンガを推薦してもらい(エントリー)、エントリーされた作品から“次にくるマンガ大賞実行委員”で候補作品を選定(ノミネート)。ノミネートされた作品を対象に、改めてユーザーの投票を受け付け、大賞を決定するというもの。

吉報を受けてくずしろさんは、「『雨夜の月』が『次にくるマンガ大賞2022』Webマンガ部門にノミネートされました。本作は2人の少女の“目には見えないけど確かに在るもの”をテーマにしています。ぜひ実際に読んでいただき感想をくださったら幸いです」とコメントを寄せています。

では、『雨夜の月』とはどのような作品なのでしょうか。本作の主人公は感音性難聴という障害を抱える女子高生。心を閉ざしてきた少女と彼女を理解したいもう一人の少女、そしてその周囲の人々とのふれあいを繊細に描き、読む者を惹きつけます。

あらすじを見てみましょう。

金田一咲希は高校入学直前のある日、ピアノレッスンに向かう途中で見知らぬ同世代の少女とぶつかり手を擦りむくが、相手から無言で落とした楽譜を丁寧に拾われ絆創膏をもらう。

咲希は印象的だったその少女とクラスメイトとして再会し、名前が及川奏音、そして耳が不自由だと知る。学校では障害を理由に周囲と距離を置く奏音に、淋しさを覚えた咲希はどうにか分かり合おうとし、そんな彼女の姿に奏音の態度も次第に変わっていき…。

本記事では物語の構想や今後描きたいものについて、くずしろさんと担当編集に伺いました。

 

「難聴」にかかわるニュースを見て

――本作で「感音性難聴」を取り上げたきっかけを教えてください。

くずしろ:私はアイドルグループの私立恵比寿中学が昔から曲もいい歌ばかりでパフォーマンスも素晴らしくて好きで、とくに柏木ひなたさんが推しなのですが、彼女が突発性難聴にかかって治療に専念するために活動を休業するというニュースを見て、調べてみたことがきっかけだったと思います。

好きな人に関わることだと、それまで知らなかったことでも知ろうとするじゃないですか。

それで難聴にも様々な症状があることや、聴力が弱くなるだけでなく、それによってバランス感覚が悪くなることで、めまいや吐き気などの体調不調も起こることを知りました。

『雨夜の月』より

担当編集:自分も関心を持っていたことでしたので、この作品の参考資料にも挙げさせていただいている聴覚障害の専門書などもくずしろさんにお渡しして、新作で取り上げて描いてみませんか? とご提案しました。

関連記事