北朝鮮ミサイル8発に米韓は8発即発射、岸田政権はマッカーサーも唖然の遺憾砲だけでいいのか

北朝鮮の「乱れ打ち」

2月24日にロシアがウクライナに侵攻したことは「地政学的リスク」の高まりの象徴と言えよう。

だが、「ウクライナの安全保障」に関して口角泡を飛ばす議論を行う人々が、「日本の安全保障」に関しては、さしたる関心を持っていないように見えることは非常に残念である。

もちろん、憲法第9条という「紋所」を水戸黄門のようにかざせば、相手が平伏するなどというお花畑議論は論外だ。しかし、憲法9条改正を声高に主張する人々の中にも、「まさか日本には攻めてこないだろう」という「深層心理」が潜んでいるようにも思える。

確かに日本は、戦後77年間、一度も戦争・戦闘を行っていない。例えば、日本の領土の目の前で行われた朝鮮戦争には「不参加」であった。また、ほぼ世界中の先進国が参加した湾岸戦争でさえ「欠席」して「拠出金」でごまかしたのである。このまま「天下泰平」が続くという気持ちになるのは無理からぬところがある。

北朝鮮のミサイル発射のニュースを見るソウル市民  by Gettyimages

しかし、ウクライナ侵攻騒ぎの渦中の6月5日に北朝鮮が短距離弾道ミサイル8発を発射した。これに対し韓国軍合同参謀本部は、6日に米韓両軍が同じく8発の戦術地対地ミサイル(ATACMS)を日本海に向けて発射したと発表。韓国軍が7発、米軍が1発を撃ったとのことだ。

また、同参謀本部は「北朝鮮が複数の場所でミサイル挑発をしようが、米韓軍は発射地点と指揮・支援勢力を即時に精密打撃できる能力を備えている」と述べた。

さらに、対北強硬姿勢で知られる5月に就任した尹錫悦大統領は、韓国の戦没者追悼記念日にあたる6月6日の演説で、「北朝鮮の挑発には毅然とした厳しい対応を取る」と重ねて強調した。

それに対して、岸田文雄首相は6月5日、記者団に対して、「地域や国際社会の平和と安定を脅かすもので断じて許すことはできない」「国際法違反で強く非難する。すでに北朝鮮に厳重に抗議した」などといつものように「遺憾砲」を連射したにとどまった。

さらに、防衛省・自衛隊HP「発射事案」における、防衛大臣臨時記者会見の内容も頼りない。

「北朝鮮は、今年に入ってから、巡航ミサイルの発射も含めれば17回に及ぶ、かつてない高い頻度で、かつ新たな態様での発射を繰り返しています。特に、今回のように少なくとも短時間で3ヵ所以上から極めて多い発数の発射というものは異例とも言えます。断固として許容できるものではありません」、「北朝鮮に対して、北京の『大使館』ルートから抗議をいたしております」

とのことだが、半年足らずの間に17回もミサイルを発射されているのに、防衛大臣も「北京ルート」での「遺憾砲」で迎撃している状況だ。

 

ちなみに、2018年1月31日のBBCニュース「ミサイル誤報でハワイ当局者辞任 当事者は罷免」という事件が起こっている。

もちろん誤報なのだが、北朝鮮から何千キロも離れたハワイでさえ、北朝鮮のICBMが届くかもしれないと国民が怯えているからこそ、誤報でもパニックになるのである 。彼らの方が危機意識をしっかりと持っているのではないだろうか。

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