106億8000万円を熔かした「大王製紙の御曹司」、シャバに出て再びカジノの熱戦場へ…井川意高の「熔ける 再び」(1)【発売前先行公開】

バカラ放浪記(1)

再びカジノに吸い寄せられる

一部上場企業の社長が、シンガポールやマカオのカジノに入り浸り、106億8000万円を熔かした。バクチの種銭は、電話一本で子会社からジャンジャンバリバリ引き出した──。大王製紙創業家の3代目・井川意高(もとたか)会長(当時)の「バカラ放浪記」は、2011年の日本を騒然とさせた。当時の「週刊文春」は「エリエールより軽い1万円札」と揶揄したものだ。

自分の財布のカネだけでバクチをやるぶんには、何億円負けようが他人がとやかく言う話ではない。問題は、種銭の多くを大王製紙子会社から引っ張ってしまったことだった。井川氏は会社法の特別背任罪に問われ、東京地検特捜部に逮捕される(2011年11月22日)。刑事裁判では懲役4年の実刑判決が確定し、2013年10月3日に刑務所に収監された。

井川意高氏井川意高氏

マスコミからの取材をすべてシャットアウトする中、収監直後に電撃的に出版した告白本『熔ける』(双葉社、のちに幻冬舎文庫)は、累計15万部超えのベストセラーとなる。古典落語には、バクチで全財産をスッて窮地に陥る男が頻出する。落語の世界から飛び出してきたような破天荒な「バカラ放浪記」は、全国のギャンブラーの共感を呼んだ。

2016年12月14日、3年2カ月の刑期を終えた井川氏は仮釈放されてシャバに出てくる。2017年10月2日には、懲役4年の刑期満了を迎えて完全に自由な身となった。

ここで素朴な疑問が浮かぶ。106億8000万円もの大金を熔かしたギャンブラーが、刑務所にブチこまれたくらいで果たしてバクチをやめられるのだろうか――。

 

果たして、井川氏は再びカジノの熱戦場へ繰り出した。「バカラ放浪記 第2章」とも呼ぶべき告白本の続編『熔ける 再び そして会社も失った』が6月27日に発売される。「現代ビジネス」が発売前に入手した新刊の中身を、4回連続の短期集中連載でいち早くご紹介しよう。

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