2022.06.28
# エネルギー

高い電気代がさらに高騰? またも国民より「政商」を優先した“再生可能エネルギーの闇”

火力発電の4倍前後の発電コスト

洋上風力発電の開発権を巡る入札について、経済産業省と国土交通省は6月23日、両省の審議会の合同会議を開き、反対意見を押し切る形で、低廉な電気を供給できる企業よりも、地元漁業者に接触するなど環境アセスメント手続きに早く着手した事業者を手厚く評価する「ルール見直し」に向けて一任を取り付けた。

だが、この見直しは、ロシア軍のウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機を受けて「洋上風力の早期稼働を促す」という触れ込みとは対照的に、長年、日本の再生可能エネルギー普及の最大のネックになっている発電コストの高止まりの打開の機会を台無しにしかねない問題がある。

両省の施策は、われわれ利用者に重い負担を押し付けてきた”再生可能エネルギーの闇“を温存させるものなのだ。

太陽光発電の発電コストを当初、火力発電の4倍前後の水準に高止まりさせ、電気料金の高騰を招いた固定価格買い取り制度(FIT)に代わる料金押し上げ要因になることが懸念される。

欧米に比べて高い電気料金がさらに高騰しかねない事態に待ったをかけるには、経済産業、国土交通両省が7、8月に実施する予定のパブリック・コメントの機会に、企業や消費者が反対の声をあげる以外になさそうだ。

photo by gettyimages
 

終値は、ストップ高(前日比500円高)で年初来高値(2563円)を更新-。

事実上、洋上風力発電の開発権を巡る入札ルール見直しが前日に決まったことを受けて、6月24日の東証プライム市場で株価が急騰したのは、大規模太陽光発電などを手掛ける新興企業レノバの株式だ。

同社は鳴り物入りで洋上風力発電への参入を表明していたにもかかわらず、昨年、秋田県由利本荘市沖の開発権を巡る入札で惨敗。同社株は、昨年9月の高値(6390円)から今年2月の安値(1271円)へ5分の1の水準まで売り込まれた。6月24日の急騰で、株価がようやく底値圏を脱して、ひと息ついた。

新ルールは、年末にも入札が実施される4、5地域から適用される見通しだ。レノバが早くから開発計画を公表している「千葉県いすみ市沖」も含まれるとみられており、同社の落札を当て込んだ買い注文が株式市場で殺到した。

レノバの巻き返しに寄与したとみられているのが、会長の千本倖生氏だ。

1942年生まれの千本氏は、京セラのバックアップを得て第二電電(DDI、KDDIの母体のひとつ)を立ち上げ、KDDI副社長を務めたあと、後にソフトバンクに吞み込まれることになるイー・モバイルを創業した経歴を持つ。政、官界に厚い人脈を持つことで知られ、今回も精力的にロビイングに歩く姿が目撃されていた。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら
SPONSORED