NHKスペシャル「半グレ」に出演したら、いきなりガサ入れされて逮捕された…伝説のアウトロー「テポドン」の人生(1)【短期集中連載】

「テポドン」の人生(1)

NHKスペシャル「半グレ」の衝撃

ヤクザでもなく、カタギでもない。法の秩序から一線を画したグレーゾーンに身を置き、光と闇の間を行き来しながら活動するアウトローを「半グレ」と命名したのは、ノンフィクション作家の溝口敦氏だ。

2011年10月、東京都と沖縄県で暴力団排除条例が施行されたことにより、47都道府県すべてに暴排条例が整備された。改正版・暴力団対策法(2012年10月施行)も、ヤクザのシノギ(食い扶持)と活動の場をジリジリと奪っていく。夜の盛り場からヤクザが消えると同時に台頭したのが、暴排条例や暴対法に縛られない「半グレ」だ。

関東連合の石元太一氏や工藤明男氏が告白本を発刊した例はあるものの、半グレの活動実態は一般的にはほとんど知られていない。

そんな中、NHKスペシャル「半グレ 反社会勢力の実像」(2019年7月27日放送)は大いに話題を呼んだ。Nスペが密着取材したのは、大阪ミナミで活動する吉満勇介氏と拳月(けんむん/本名=相良正幸氏)だ。顔出し実名出しであっけらかんと取材に応じる2人の姿は、世にはびこる半グレへのイメージを一変させた。

拳月氏(左)と勇介氏(本書より)拳月氏(左)と勇介氏(本書より)

Nスペ放送から3年。吉満勇介氏が「勇介」名義で告白本『テポドン 大阪ミナミの「夜」の歴史を変えた暴れん坊』(講談社)を出版した。

〈僕のような刺青の入っている男がNHKに出られるのかという心配のほうが強かったように思います。
(略)
「テレビに出ることになったんやけど、半グレ特集らしいねん。どうしようかと思って」
そう打ち明けると、拳月の返答は「俺ら顔売ったらええやん」。
(略)

 

彼自身、ミナミでさらに名前を売り出していきたいという気持ちがあって出演には前向きだったので、拳月も一緒に密着取材を受けることとなりました。〉『テポドン』193〜194ページ)

関連記事