コロナ禍で流行したベイキング

コロナ禍が始まった2020年春、世界各地でお菓子やパンをオーブンで焼くベイキングが大流行したことを、覚えているだろうか。日本でも、小麦粉やベーキングパウダーなどの材料が店頭から消える異常事態に陥っていた。

ベイキングが大流行したのは、急にステイ・ホームを求められた人たちが、時間をつぶせると注目したからだ。できたパンやお菓子は、休憩時間のおやつになるし、作るのは楽しい。おやつ需要も、コロナ禍で増えている。粉ものを練るなどの作業で心が落ち着く人もいただろう。

特にこの頃は、世界各地で流行が急拡大し、欧米などではたくさんの人が亡くなった。ワクチンも薬もなく、多くの人が不安を募らせる中、心安らかになるベイキングは貴重な体験だったことだろう。

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ところでベイキングは、家事と言えるだろうか? コロナ禍で流行ったのは、趣味であって家事ではないと言えるかもしれない。ふだんは多忙で、ベイキングどころではない人たちが「不要不急の」食べ物を作った現象、と言えるからだ。誰でも日常的に行うことだったら、小麦粉が急に店頭から消えたりしない。

しかし、ベイキングが家事と見なせる場合もある。子どもには、成長のためにおやつを食べさせることが必要だ。もし、アレルギーがあるなどの理由で、市販のお菓子を与えられない場合は、アレルギー食材を避けて手作りする必要があるかもしれない。食品添加物が気になるなど市販品を与えない方針の人も、おやつを手作りするだろう。

過去を振り返れば、市販のおやつが充実して手軽に買えるようになったのは昭和半ば以降で、それまでの時代は、保護者が手作りのおやつを子供に与えることが珍しくなかった。当時のおやつ作りは家事と言えるだろう。