7月10日に投開票される参院選。多く報じられているのが「票ハラ」の問題だ。選挙に投票するからという言葉の陰で行うハラスメント。女性候補者が苦しんでいる実態がそこにはある。ただ、その前にいくつか議員のセクハラに関する報道が出たが、むしろ「選挙期間」の名のもとに報道が沈静化している。

猪瀬直樹氏の応援演説に始まり、吉川赳衆院議員の18歳女性との淫行や細田孝之衆院議長の女性記者を誘う電話の疑惑に関する報道……たとえばこれが日本ではなかったら、同じ行為はどのように受け止められるのだろう。
そんな風に考えてみると、「セクシャルハラスメント」に対して軽んじる日本のスタンスが、大きく影響していることがわかってくる。そして選挙期間だからこそ、向き合う必要が大きい問題だとも。

日本で「軽んじられる」セクハラの現状を、ジャーナリストの浜田敬子さんが分析する。

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「その程度のもの」とされ続けてきた

参院選公示直前、1本の動画がTwitterなどで拡散した。日本維新の会公認で比例区に立候補した元都知事の猪瀬直樹氏が、同じく維新の会から立候補している海老沢由紀氏の応援演説中に体を触っている場面だった。

私の元にも「これはひどい」「セクハラではないか」と知り合いの女性記者から送られてきた。Twitterなどで動画や写真はあっという間に拡散され、多くの批判に晒された。

猪瀬氏自身はまもなく、「仲間を紹介する際に、特に相手が異性の時は肩に手をやるなど身体を触ることには慎重になるべきだとご指摘をいただきました。確かに軽率な面がありました。十分に認識を改め、注意をして行動していきたいと思います」とツイート
https://twitter.com/inosenaoki/status/1537635177731543042
これに対して、海老沢氏も「全く問題ない」「胸にも当たっていない」とツイートした。
https://twitter.com/ebisawayuki/status/1537667434060333057

その後選挙戦が始まったこともあり、この件は一件落着の様相を呈しているが、モヤモヤは消えない。この件に限らず、議員によるセクハラ疑惑や女性蔑視発言がここ数カ月だけでも相次いでいる。だが発覚時には話題にもなり批判もされるが、議員の資質そのものまで踏み込んだ議論は継続せず、たち消えになってしまう。

それはセクハラや女性蔑視発言自体が「その程度のもの」として軽視されているからではないのか。メディアも継続的に議員の資質を問うほどにしつこく報じないのは、メディア内部にも軽んじる空気があるからではないのか。

男性候補者に同じように触るかな? と思った人も多いのでは…Photo by iStock