2013年、高卒ルーキーとしてセレッソ大阪にて史上初めて開幕スタメンを果たし、以降日本のサッカー界を牽引してきた南野拓実選手。2022年6月28日、リバプールFCからフランス1部リーグであるリーグ・アンのASモナコFCへの移籍を発表した南野選手の初の著書が刊行となった。『南野拓実 Inspire Impossible Stories』と名付けられた本の刊行を記念し、長くサッカーをはじめとしたスポーツの現場、教育の現場を取材してきたジャーナリストの島沢優子さんによるインタビューが実現。南野選手はどのような大人たちから影響を受け、今に至るのだろうか。

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「自分が攻撃をしないときにチームに貢献できるか」

南野拓実が初めて上梓する著書のタイトルは、『Inspire Impossible Stories』。サッカーW杯カタール大会(11月開幕)でも活躍が期待される日本代表のエースに、フットボールのキャリアを継続するうえでインスパイアされた「影響を受けた大人」というテーマで話を聞いた。

前線の選手ながら決してエゴイストではなく、チームのために献身的に動き、流動的にプレーする。南野がこのプレースタイルになったのは、リバプールの前に19歳で初めて海外クラブに所属したザルツブルクからだという。この世界で生き残って「上に行くために自分はどうすればいいんだろう?」と試行錯誤して今のプレースタイルになったと語る。

「日本にいたプロ1年目とかはもっとエゴな感じで、自分のやりたいことをやっていたけど、海外では結果を出さないと替えられてしまいます。じゃあどうすればいいんだ?って考えました。そこで、自分の攻撃がハマっている時は自分を出すけど、それ以外の時間帯でどうチームに貢献できるかを重視しました。そこから、献身性であったりとか、スペースをうまく見つけて動き出したりっていうのが自分の良さになってきたかな」

撮影/長濱耕樹

そんなふうに一皮むけた選手に成長できたのは、ザルツブルクで出会った2人目の監督、ジェシー・マーシュが一役買っている。それまでは主力ではあるが交代もあったりしたのが、マーシュが来てからは「絶対的なスタメン」(南野談)として君臨した。

「おかげで、僕の中でのチームを勝たせるための責任感というのがより強くなりました。周りの選手が若かったというのもありますが、自分が発信して引っ張っていかなきゃいけない環境だった。そういう気持ちは大事だなって思うようになったし、自分でもそういう(リーダーシップの)部分は伸びたと思う。ドイツ語のレベルも上がってきていたので、他の選手に気づいたことを言えるくらいにはなっていました」