2022.07.05

「民間医療保険は不要」論の「意外な落とし穴」…年収400万でも10万円以上の自己負担は珍しくない

医療保険は不要。一生涯払い続ける保険料総額と受取る給付金総額を天秤にかければ、結果は明らかなのになぜ入るのか?という論調が後を絶ちません。確かに天秤にかければ保険料の方が重くなる場合が多いかもしれませんが、すべての場合にそうなのでしょうか?治療が必要な際、助けになる公的保障を踏まえながら考えてみます。

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医療保険不要!は本当?個人差のある高額療養費・傷病手当金をきちんと把握

民間の医療保険を考えるときに、まず考えなければならないのは公的保障の内容です。

自動車保険を例に考えてみます。自動車を所有する場合、国の強制保険である自賠責保険に加入することが義務付けられています。自賠責保険は被害者救済のための保険ですので、けがをさせてしまった相手への損害賠償が補償の基本になっています。相手のけがの治療費・休業損害・慰謝料・後遺障害や死亡による逸失利益などが支払われます。金額の上限が決められており、治療関連費用は120万円、死亡は3,000万円、後遺障害は等級や状態に合わせて75万円~4,000万円などと決められています。

民間の自動車保険は強制保険である自賠責保険で賄いきれない部分があるために、多くの方が加入されています。相手に対する死亡保障ひとつをとっても、3,000万円では不足するケースがあります。死亡による損害額は死亡された方の年齢、収入、扶養家族の有無等に基づいて計算されます。

保険会社が設定する損害額の目安をみると、35歳扶養家族2名の場合、死亡損害額は9000万円にも上ります。自賠責保険だけでは不足することは明らかです。また、自賠責保険では、自分の損害についての保障がありません。自分のけが、車両の損害などは民間の自動車保険の手助けが必要になります。

確かに数千万の補償の穴埋めは、個人の貯蓄では難しいですが、数十万円の車両の修理代は個人の貯蓄から捻出することは可能といえます。充分な余力を持つ方は、あえて、車両保険に加入しないという選択もあるでしょう。

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