2022.07.03
# 不動産

「3Dプリンターの家」で高すぎる日本の住宅は激安時代へ?

製造業が「住宅」を革新するのか

3Dプリンターはここまで進化した

6月27日公開の「株式市場の多数のベンチャーの屍を乗り越えて、やっとバイオテクノロジーの時代がやってくるのか」において、「革新的と騒がれる新技術」が必ずしもすぐに実用化され普及するわけではなく、「熱狂」の後に静かに消え去っていくことが多いことを述べた。

by Gettyimages

3Dプリンターも一時期「革新的新技術」と騒がれた。確かに、現在でも色々な分野で活躍しているのは事実であり、「史上初のダイヤモンドの3Dプリントを発表!サンドビック」との報道もある。ただし、この「ダイヤモンド」は光り輝くものではなく、工業用であるとのことだ。

その他にも、試作品、1点もの作成など多くの分野で3Dプリンターが活用されている。

また、6月1日の産経新聞「3Dプリンターで拳銃作り自殺か、死亡の男を書類送検 茨城」のような物騒な事件も起こっている。

「革新的技術」であるにもかかわらず、3Dプリンターの利用がまだ限定的であるのは「1点ものの素晴らしい作品を制作するのは得意でも、安価に大量生産することには向いていない」ということに原因があると考える。何十万個、何百万個と生産する製品は、金型を起こして生産した方が、最終的に効率的だということだ。

だが、この3Dプリンターの「1点ものが得意」という特徴を生かし巨大な市場を形成できる分野がある。それが住宅市場だ。

3Dプリンターというと「小物」制作のイメージが強いが、日本経済新聞6月17日の記事「3Dプリンターの家、300万円で発売 新市場創るか」という時代にすでに突入している。

住宅は、スマホや電卓などよりもはるかにサイズの大きな製品だが、様々な個別仕様(オプション)の要求が高い「1点もの」の商品と言えよう。

特に日本では、街の景観の点からは好ましくないともいわれるが、様々な個性を主張した家が多数並んでいる。さらに、外観だけではなく内装まで考えれば「この世に同じ家は1つしか存在しない」とさえ言えるのではないだろうか。

また、既存の住宅においては、注文主の意向を取り入れた仕様変更が設計者から作業現場にうまく伝わらなかったり、現場の作業がおろそかで設計図通りに仕上がらなかったりすることがよく起こる。このような問題も、施主がCGの出来上がり画像で確認しつつ、それと完全に連携した3Dプリンターによって住宅を制作すれば激減するはずだ。

 

かつて、自動車は金持ちが道楽で乗る「手作りの大きなおもちゃ」であったが、工場生産の「T型フォード」という安価で庶民も購入できる製品が登場して世の中が変わった。今まさに、住宅市場は「T型フォード登場の時代」なのではないだろうか。

「住宅革命」はまだ黎明期だが、市場拡大と技術革新が正のフィードバックとなる「IT・インターネット革命」のようなことになるかもしれない。

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