週刊誌の編集者からフリーライターとなって、長く活躍していた高清水美音子さん。高清水さんが7年前に長男を、2年前に夫を病気で失い、肩を落としていた中で告知されたのは、多系統萎縮症という難病でした。
自ら命を断つことも考えた高清水さんが昔の自分の日記に力をもらい、「仕事をしたい!」と就活モードオンに!こうして就活をしていく中で知った障害者雇用の現実を伝える連載第2回は、ハローワークへ行き、「障害者雇用」に応募すべく多くの登録を始めた高清水さんが、現実を知っていったときのことを伝えていただきます。

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転職した回数&理由とオフィスのスキルは?

書類やら入力やらが終わると、「キャリアカウンセラー」とリモート面談を受けてくれという依頼がつぎつぎと届く。もはや、お決まりの流れだ。そこで、強みや弱み、家からどのくらいの場所まで通えるかなどを聞かれる。そして、かならず聞かれたのが、「転職した理由」。

わたしは、最初の職場から、フリーライター時代もいれると、4回転職している。最後のふたつは、作文教室の仕事とフリーライター、同時期にやっていたのだが、副業という概念を入れる余地はなく、それぞれ別に入力。けっこうな分量で、最後に申し込んだエージェントの入力が終わるまで、3日くらいかかった気がする。

そしてもうひとつ。オフィスのスキルを聞かれる。つまり、Word、Excel、Powerpointがどのくらいできるの? という質問だ。「初級、初級、初級」と答える。どこのリモート面談でも、このふたつばかり聞かれる。面談が終わって、ようやく担当になった人が、「こんなの、どうです?」と、仕事を紹介するというシステムだ。自分でパラパラと、求人を眺められるところは、ほんのちょっと。また、そういうところも、結局、担当者が、いくつか選んで求人票を持ってくる。

障害者雇用の9割が事務職

「数が少ないのはわかっています。でも、ライター案件でお願いします!」
と、どこでも言った。ここで、その応対にはカラーが3つにわかれる。

1:「ライター案件? そうそうないですから。ほらほら、超有名企業に勤められますよ~。事務職ですけど」

2:「ライター案件? ええ、存じております。でも、話だけでも聞いてくれませんか? 事務職ですけど」

3:「無視(ライター案件~。そんな面倒くさい奴は無視!)」

3番目の「無視」は、比較的大手に多かった気がする。まあ、あくまでもわたしの感覚ですが。

ライターの仕事がしたいというと反応はとても薄かった Photo by iStock

「ライター案件が出るまでに、ちょっと1社受けてみませんか? 面接の練習にもなりますし」

一番最初に会った、押しの強いキャリアカウンセラーのAさんに、ぐいぐいと土俵際でうっちゃられるような形で、ひとつ事務職の面接を受けることになった。そこで、オフィスの能力について、驚かれる。

「本当にExcel、オートサムしか使えないんですか? 練習して、せめて四則演算くらいできるようになっておいてください! たす、ひく、かける、わる、です!」

面接準備の打ち合わせでこっぴどく叱られるとは。しかしこれは、のちのち大変重要なことだとわかった。障害者雇用は、9割が事務職。残りの1割にエンジニアやSEなど、腕が良ければ健常者と同じくらい稼げる層がいる。それから、Webデザイナーなどの求人があって、最後にライター案件があるかどうか、という感じ。