ひとり親家庭(母子・父子家庭)は増えている。ひとり親家庭にまつわる政府の最新調査(※)では、母子家庭は123.2万世帯、父子家庭は18.7万世帯、計141.9万世帯だという。1993年の調査でのひとり親世帯は計94.7万世帯なので、23年間に47.2万世帯が増えている。ひとり親になった原因については、8割近くが「離婚」(母子・79.5%、父子・75.6%)と回答している。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「マッチングアプリなどで、ひとり親世帯の親同士の結婚が増えています。多くの家庭ではうまくいっているとは思いますが、新しい生活のストレスはあるのでしょう。その解消の一環として浮気をするケースもあります」と語る。彼女は離婚調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。今回山村さんに相談をしてきたのは、30歳のときに夫の浮気で離婚を経験している40歳の女性。7年シングルマザーとして娘を育て、婚活をすることにして再婚をしたという。その再婚の経緯と、2年経ってわかったこととは……。

この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。

山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
山村佳子さん連載「探偵が見た家族の肖像」今までの記事はこちら
※『全国ひとり親世帯等調査結果の概要について』(2016年)
https://www.moj.go.jp/content/001345686.pdf
-AD-

子連れ再婚で娘のいる母が警戒したこと

今回の依頼者は、優子さん(40歳)。誰もが知る大手広告代理店に勤務しています。結婚して2年になる勤務医の夫(38歳)に不審な行動があると、私たちに連絡してくださいました。
カウンセリングルームには、これまでの経緯や、行動をまとめたパワーポイントで作った資料を持参。「この資料をまとめていて感じたのですが、やはり夫は浮気をしていると思うのです」とふるえる手でおっしゃっています。まずは夫婦の背景から伺いました。

「夫とは3年前にバツイチ同士が出会えるというマッチングアプリで知り合いました。私は25歳のときに前の結婚をし、28歳で娘を出産。30歳のときに離婚。原因は前の夫と浮気相手の間に子供ができてしまった事。幸い私には仕事があったので、離婚しました」

それから実家に戻り両親とともに娘を育てながら、7年が経過。親は「あなたも若いんだから再婚したら?」などと言っていたという。

「その意志はありました。できれば娘が幼いうちに、父親という存在がいる環境で育ってほしいと思っていたからです。恋愛はちょいちょいあったのですが、“娘がいる”と言うと引く人が多いですよね。でも中にはそれとは逆にぐいぐい来る男性もいて、過剰に娘の年齢を知りたがったり、写真を見せてほしいと言われたりするんです。“あなたの子ならかわいいだろうな”などと、言いながら何度も写真をねだる人もいました。こういう人は直感で“ヤバい”と思ってお断りしたのです」

現実の出会いがパッとせず、マッチングアプリに移行した。アプリ内には、あからさまに娘を狙った人もいた。

「マッチして即座に“お子さんはどちらですか?”と性別を聞く人もいました。それは論外として、実際に会っている最中に娘のことばかり質問されたこともありました。そんな人も多い中、再婚した夫に出会いました。彼は3歳の娘がいるシングルファザーで、娘よりも私に興味を持ってくれた。ひとり親同士の悩みも共有できたんです。彼は勤務医で、仕事に誇りがあり、私にもキャリアがあります。仕事の話も弾みました」