Meta社に起こっている大変化…大物経営陣の退任後、ザッカーバーグは自立できるか?

ティールとサンドバーグ退任を読み解く

Metaから去っていった2人

相変わらずTwitter買収劇をめぐって、イーロン・マスクの言動が世界の関心を集めているが、その裏ではライバルのFacebook改めMetaが静かに変貌を遂げていた。

今年2022年2月に本人から退任の意志はすでに表明されていたが、この5月、正式にピーター・ティールがMetaのボードから退いた。

その公表からたいして日を置かずに6月に入り、今度はCOOのシェリル・サンドバーグの降板が公表された。彼女の場合、当面、ボードメンバーは続けるものの、活動の主軸は、彼女の設立したLean In Foundationに移していく予定だという。

保守のティール、リベラルのサンドバーグ。良くも悪くもこの2人がいることで、Facebookは外部からのあれこれの批判に対してバランスある対応を行えてきた。というよりも、わかりやすく保守とリベラルの顔がいることで、政治的均衡が保たれているような印象を与えてきた、という方が正しいのかもしれない。

Metaから離れたピーター・ティール[Photo by gettyimages]
 

ティールは2004年にFacebook初の外部投資家として出資をしボードメンバーに就任した。サンドバーグは2008年にCOOとしてFacebookの経営に参加した。

その2人がFacebookを去る。ティールとサンドバーグが同時期にFacebookを後にするのはひとつの時代の終わりを感じさせ、2020年代という今の時代を象徴している。

ティールは1967年、サンドバーグは1969年生まれの同世代。1984年生まれのザッカーバーグからすれば、どちらも一回り以上年の離れた兄であり姉である。Facebookという「家」の切り盛りでいえば、2人は後見人としての叔父や叔母であり、要するに父と母であった。

その2人が去ることで、ザッカーバーグは本格的に独り立ちを強いられる。

その点で、彼がFacebookの名をMetaに変え、すでに拡大基調から縮小基調に転じたように見えるFacebookというソーシャル・ネットワークを「メタバース」という名でリニューアルしようとしていることは、ある意味必然だった。彼が望むのは、自分の意志のみで構築した箱庭の世界、ザッカーバーグならぬ「ザッカーバース(Zucker-Verse:ザックの宇宙)」である。創始者の名を冠したディズニーランドのサイバースペース版だ。

すっかりメディアの寵児、というかバズりの王様と化したイーロン・マスクのドタバタ劇の裏で、こんな具合に静かにFacebookの代替わりが進められていた。

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