円安に国民が苦しんでるのに、それでも日銀が「金利を引き上げられない」4つの理由

日銀が6月の金融政策決定会合において、金融緩和策の継続を決定するなど、日米の金融政策の違いがより鮮明になっている。日本とアメリカの金利差が拡大するのはほぼ確実であり、市場では円安がさらに加速するとの見方が強まっている。

国内でも物価上昇が顕著となっており、日銀に対する風当たりは強まる一方だが、日銀はなぜ金利の引き上げに消極的なのだろうか。政府・日銀が金利を引き上げられない理由について、あらためてまとめた。

日銀の黒田東彦総裁〔PHOTO〕Gettyimages

理由その1 景気に逆風

日本経済は過去30年間、低金利が続いており、企業も家計も低金利であることが大前提となっている。このため、急に金利が上がってしまうと、企業の利払い負担が増えたり、借入れが減少するなど経済に大きな影響が及ぶことになる。

リーマンショック以降、国内の倒産件数は異常な低水準で推移してきたが、これは、政府が銀行に対して過度な資金回収を実施しないよう強く要請していたことが大きく影響している。企業は低金利で資金を借りることができ、しかも、銀行が積極的な融資姿勢を継続したことで、本来なら倒産している企業も延命できているケースが少なくない。

 

こうした状況で金利の引き上げを実施すると、倒産が増える可能性があるほか、大企業の設備投資も大幅に抑制される。諸外国と比較して、ただでさえコロナ危機からの回復が遅れている時に、金利の引き上げによる景気後退だけは避けたいというのが政府・日銀のホンネだろう。

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