2022.07.13
# マンガ

時流に合わせて謎解きも“ファスト”に!?「金田一少年の事件簿」原作者が語る今どきのミステリー事情

人気グループ「なにわ男子」の道枝駿佑さんを主演に迎え、連続ドラマとして8年ぶりの復活を遂げた『金田一少年の事件簿』。原作は同名タイトルの漫画で、1990年代に本格ミステリー漫画の先駆けとして一大ブームを巻き起こし、現在ではシリーズ累計発行部数が1億部を突破するなど、言わずと知れた国民的作品だ。

原作者は、『金田一少年の事件簿』のほか、『探偵学園Q』『サイコメトラーEIJI』『BLOODY MONDAY』などを生み出した天樹征丸さん。複数のペンネームを使い分けヒット作を手掛けており、「樹林伸」という名前を聞けばピンとくる方も多いだろう。

現在は、講談社「なかよし」で連載中の新作、視るだけで犯人を言い当てられる不思議な能力を持つ高校生・四鬼と、若き天才警察官・天草が織りなすミステリー『ギフテッド』の原作を担当している。

その『ギフテッド』の第2巻が本日7月13日に発売される。発売を記念して、天樹征丸さんにインタビューを敢行。記事前編では、本作をバディものにした経緯や、時流に合わせたミステリー作品の作り方について伺った。

(取材・文/ちゃんめい)

『ギフテッド』(原作/天樹征丸 漫画/雨宮理真)
 

「バディものがやりたい!」から始まった

「『ギフテッド』(原作/天樹征丸 漫画/雨宮理真)

――『ギフテッド』をバディものにしたきっかけは何だったのでしょうか?

天樹:僕自身も好きだし作るのが得意なジャンルだから「バディものがやりたい!」と、打合せの時に言ったのが始まりでした。もちろんそれだけじゃなく、バディものだとキャラクター同士の掛け合いが出てくるので、作画を担当する雨宮さんの表現の自由度も高まって、作画の力が十分に発揮できるところも良いなと。

『ギフテッド』(原作/天樹征丸 漫画/雨宮理真)

天樹:あと、僕の中には最初から『ギフテッド』をドラマで見てみたいなという構想があって。それを見据えた時に、不思議な力を持つ男子高校生と、若き天才警察官のバディものミステリーは映像と相性が良いなと思ったんです。

――ドラマといえば、『金田一少年の事件簿』が最終回を迎えましたね。

天樹:ミステリーのなかでも『金田一少年の事件簿』のような作風は、実はドラマにするのが難しい作品なんです。まず、毎話登場人物が多いから、たくさんキャストを揃えなくちゃいけない。その大勢のキャストの中に、目立つスターがいたら何となく「この人が犯人かな?」って予想がついてしまうじゃないですか(笑)。だから、オールスターキャストでやらなければいけない。華やかで見ごたえ抜群ですが、どうしてもコストはかかってしまうんです。

これが、『金田一少年の事件簿』のように謎を解いていく“通常のミステリー”をドラマ化する時の難しさなんですよ。

「金田一少年の事件簿」 Blu-ray&DVD BOX 2023年1月18日発売 発売元:バップ ⒸNTV Ⓒ天樹征丸・さとうふみや/講談社

――犯人がバレないようにするためにコストがかかってしまうんですね。

天樹:だから、『ギフテッド』をバディものにすると決めた時、そのうちの一人は犯人が誰なのか分かる能力を持っているキャラクターにしようと思ったんです。最初から犯人が分かっていれば、この問題は解決できるので。

『ギフテッド』(原作/天樹征丸 漫画/雨宮理真)

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