なぜ明石市にできることが国にはできないのか?「改革市長」泉房穂に鮫島浩が直撃インタビュー!

『朝日新聞政治部』刊行記念対談
朝日新聞政治部』が発売1ヵ月で5刷となった話題の政治ジャーナリスト鮫島浩氏が、れいわ新選組大石あきこ氏の次に対談を申し込んだのは、国会議員ではなく明石市長の泉房穂氏。
泉市長は、日々ツイッターで情報を発信し、「市民と直接つながる首長」として知られる。子ども支援政策が成功し、出生率も改善、人口も増え続けて「子育て世帯が住みたい自治体」として注目される。
この国の政治は、そして政治報道は、どこを目指すべきなのか。参院選を目前に控えたいま、鮫島氏が泉氏に直言インタビュー!
この対談の動画を鮫島タイムスYouTubeで公開しています)

「れいわ新選組」木村英子議員に会った理由

鮫島 連日、泉さんのツイッターを興味深く拝見しています。最近、れいわ新選組の木村英子さんと会ったとツイートされていましたね。

 はい。木村さんとは、5月に国会で旧優生保護法に関する院内集会に参加させて頂いた際に、ご一緒しました。そこで、木村さんが前々から明石市に行ってみたいと思っていたことを知りまして、「是非お越し下さい」とお誘いしました。それで6月23日に明石市で会談が実現したんです。

泉房穂氏(左)と鮫島浩氏 撮影/濱崎慎治

鮫島 選挙の時期でも、特定政党の政治家と会ったことを隠さない泉さんの態度に共感します。木村さんとは、どんなお話をされましたか?

 明石市はこども施策で目立ってますが、実は障害者福祉に関しても、早い段階から取り組んできました。

例えば、お店の入り口に段差があり、車いすの方が入店できないなどの問題があった場合、お店に対策費用を負担させるのではなく、行政が負担する「障害者配慮条例」を2016年に全国に先駆けて作りました。

木村さんには、そうした明石市の取り組みを評価して頂きましたが、私自身はまだまだ評価されるような段階ではないと感じています。

鮫島 私がまだ朝日新聞にいた2019年、参院選で、れいわ新選組から「特定枠」候補に擁立された木村さんの街頭演説を品川駅前で見ました。木村さんの演説を聞いていたら、涙がポロポロこぼれてきました。

「この選挙がなければ、私はずっと施設に閉じ込められていたかもしれない。障害を抱える人たちがもっと自由に外に出ることのできる社会をつくりたい」と澄んだ声で訴えかけていました。彼女は、選挙に出ることによって、そのメッセージを体現したのです。

ハッとしました。これまで自分がやってきた政治報道って一体何だったんだろう、と。しょせん上級国民同士のプロレス、右対左の対立ばかりを追って、さまざまな困難に直面した無名の当事者たちが自ら参加する「政治の原点」を忘れていたことに気付かされました。それが、朝日新聞社を辞めて独自のメディアを立ち上げる、一つのきっかけになったんです。

泉さんの、政治家としての原点には、障害を持つ弟さんの存在があったと聞いています。その辺りをもう少し詳しく教えてください。

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