候補者の女性比率が史上最高の参院選

2022年参院選。
7月10日の開票日を前に、現在、期日前投票が進んでいる。

今回の選挙では、全部で545人の立候補者のうち、女性の数は181人、33.2%と国政選挙ではじめて3割を超えた

今回の参院選では、女性候補の数も増えたが……。こちらは神奈川県川崎市の選挙区。photo/Getty Images
 

政治における女性比率が特に注目されるようになったきっかけのひとつには、2018年に施行された「政治分野における男女共同参画推進法(候補者男女均等法)」がある。超党派で作られ閣議決定されたこの法律は、各政党に男女の候補者数をできる限り均等にするよう求めていて、今年の改正ではセクハラ・マタハラ等への対策などへの自主的な取り組みも追加された。

私は「女性はもちろん、性的マイノリティや障がい者、先住民族などあらゆるバックグラウンドを持つ人が政治の場で活躍できるべきだ」と考えている。なぜかといえば、日本の議員は、単一のグループ、裕福な高齢男性が圧倒的に多いからだ。これでは、あまりに置き去りにされ、見過ごされ、気付かれさえしない問題が多くなりすぎるからだ。

例えば、私が取り組んできた性教育の不足や、緊急避妊薬の入手の難しさ、法律で求められる人工妊娠中絶の際の配偶者同意といった問題は、当事者の人生や命にも大きく関わることで重要な事柄だ。しかも、多くの国では当たり前とされる国際基準ともかけ離れた点が多いにも関わらず、置き去りにされてきた。

これは、この国のルールを決める人たちの中に、そういったサポートの不足で困る当事者がほぼ存在してこなかったのでは、と思わざるを得ない。というのも、私たちが緊急避妊薬などの勉強会を厚労省や議員会館などで開催すると、不思議な光景を目にするからだ。上記のような問題の勉強会に参加し、国会で質問をする中には男性(議員や官僚などの方たち)もいるが、その多くは国会に圧倒的に少ないはずの女性たちなのである。

国会議員は自分の属性の代表ではなく国民の代表なのだから、当事者ではなくても想像力を働かせ、国民に寄り添うことが基本原則だ。ただ、あらゆることに想像力を働かせ、問題意識を持ちやすい環境にするためには、まずは「多様性」が必須だと、政治の場に声を届ける一人として日々感じている。

だから私は今回こうして、女性の候補者が増えたことを素直に喜びたい。しかし、数が増えるだけで多様性は果たして実現できるのだろうか。大事なのは、「数」+反論しにくい場の空気にあっても「わきまえない」スタンスを通せるかどうか、だ。

私が、このことを感じたのは、先日まで5ヵ月間滞在していたルワンダだった。世界トップレベルの女性議員比率61%を誇るルワンダから感じたことを選挙前にお伝えしたい。

ルワンダは小国ながら、サファリ・アカゲラもある。写真提供/福田和子