安倍元首相、急逝のウラで…マスコミがあえて報じない、岸田政治「外交と国防」のシナリオ

「岸田VS安倍の戦い」だった

参議院選挙の選挙期間が終わった。安倍晋三元首相が銃撃され亡くなるという、長い政治記者生活の中でも未曽有の出来事に驚愕しながら、筆者自身も投票を終えた。

秋の臨時国会での大胆な財政支出、そして憲法改正や来年度予算編成での防衛費増額に意欲を見せていた安倍元首相が、7月8日、近鉄大和西大寺駅前で遊説中、銃撃され死亡したことは、この先、補正予算案の編成や安全保障政策に多大な影響を与えることになる。

筆者は、今回の参議院選挙を、「自公VS野党ではない。岸田VS安倍の戦いだ」と位置づけ、安倍元首相による自民党候補の応援演説の内容に着目してきた。

6月27日、千代田区で開かれた生稲晃子候補の決起集会で、安倍元首相は、「1993年に初当選した同期の中で、最もハンサムなのは岸田さんだが、最も人柄が良いのは私」と笑いをとった。そして、話が経済に及ぶと、アベノミクスの実績を強調し、円安であっても「金利を上げるべきではない」と、自身が敷いてきた路線を堅持するよう求めた。

三原じゅん子氏の応援演説に駆けつけた安倍晋三氏(7月6日、横浜駅西口)/写真提供:清水克彦三原じゅん子氏の応援演説に駆けつけた安倍晋三氏(7月6日、横浜駅西口)/写真:清水克彦
 

7月6日、横浜駅西口で三原じゅん子候補の応援に駆け付けた際は、憲法への自衛隊明記と防衛費のGDP比2%までの増額に触れ、「自分で努力しない国に手を差し伸べてくれる国はどこにもない。日本とアメリカの間には強固な同盟関係があるが、何もしない日本のため戦うことにアメリカ国民の理解を得ることができるだろうか」と、駅前を埋め尽くした聴衆に熱く防衛力の強化を訴え続けた。

筆者の目には、安倍元首相は、応援演説の場を借りて安倍カラーを色濃く打ち出し、岸田首相にけん制球を投げ続けているように映ったものだ。

関連記事