「ゼレンスキーに疲れた…」西側がそう思った瞬間、プーチンは核のボタンに手をかける

ウクライナ軍を圧倒的な物量で潰し、東部地域での支配を確立しつつあるロシア軍。規模で劣るウクライナ軍を消耗させ、長期戦に持ち込む……それこそがプーチンの狙いだった。しかもプーチンは国営放送を使って、「西側諸国に核ミサイルの照準を合わせている」との脅しまで始めた。

前編『プーチンの「鉄人形」が恐怖のひと言…巨大核ミサイルが「ホワイトハウス」を狙ってスタンバイ中』に続いて、プーチンが画策する「次の一手」を読み切る。

独・仏はてのひらの上

ロシアの中高年層にはもっぱらテレビを見てばかりの人も少なくない。彼らはウクライナや西側諸国への憎悪を煽る国策番組を眺め、憂さを晴らすのだ。ロシアの政治や歴史認識に詳しい、北海道大学特任助教の西山美久氏が言う。

「ロシアの独立系調査機関『レバダセンター』が6月6日に発表した世論調査では、82%の人がNATOに悪印象を抱いているとの結果でした。プーチン大統領は『ウクライナは独立国家ではなくロシアの一地域だ』という認識を示していますが、一般のロシア人にも彼ほどではないにせよ、ウクライナに対する『上から目線』がある。

『ウクライナのNATO加盟はロシアの脅威になる』といった考えは決してプーチン大統領ひとりの妄想ではなく、一定の支持を得ているのです」

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少なからぬロシア国民がプーチンの戦争を支持しているのは、経済制裁の効果が案外弱いためでもある。ロシアの外貨建て国債は6月末にデフォルト(債務不履行)に陥ったが、そもそも利払い額が135億円と小さいため、影響がほとんどなかった。ロシア国民の肌感覚は「マクドナルド撤退? 別に、もともと好きじゃないから問題ないよ」という程度なのだ。

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