2022.07.16
# ライフ

エサをもらえず、餓死していく…日本人が知らない「家畜の虐待死」の残酷な現実

なぜ、起訴されないのだろうか?
細川 幸一 プロフィール

21頭の豚が餓死、35頭が飢餓状態

しかし、またしても悲惨な事件が内部告発であきらかになった。2019年、四国愛媛のとある町の養豚場で人知れず、35頭の豚が飢餓で苦しむ映像が公開されたのだ。

豚たちは痩せ細り、骨が浮いて見えた。餌箱はからっぽで水が与えられている形跡もない。35頭のうち、生まれて間もない赤ちゃん豚は13頭で、同じ檻に入れられている大人の豚たちに踏み潰されないように逃げ惑っていた。

動画の中ではすでに21頭の死体が放置されていた。生き残っていた35頭の豚たちもこのあとすべて死亡したという。動画の状況から見て、餓死したと考えられる。

 
 

この事件は、アニマルライツセンターに情報が寄せられたことで明らかになった。豚たちが死んでしまった後の2021年に、同センターはこの事件の詳細を告発者から聞き、すぐさま刑事告発の準備に入った。

実はこの告発者は、まだ豚たちが生きている時点で警察にも行政にも相談をしていたが、双方ともこの虐待を無視したり、指導しなかったりと散々な対応だったという。そこで検察への告発が行われた。

松山地方検察庁西条支部は2022年はじめにこれを受理し、捜査を行ったが、不起訴処分(起訴猶予)の決定を下したという。アニマルライツセンターの岡田千尋代表理事は、検察から「証拠はあり、虐待があったことは認められるため違法ではあるものの、諸事情を考慮して起訴を猶予した」と聞かされたとして、憤りを見せた。

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