熱中症の季節! 塩分摂取が少ないと、体にどんな影響がある?

ミネラル全体でバランス取ることが大切

連日猛暑日で、連日警戒アラートが発表される熱中症。毎年多くの人が救急搬送されるなど、問題となっています。そんな熱中症を防ぐには、水分と塩分の補給と言われていますが、いっぽうで生活習慣病予防のために塩分を控えた方が良い、とも言われます。

そもそも塩分は、どのような働きを担い、どのように体内をめぐっているのでしょうか。適切な摂取量はどれくらい? 気になる塩分と体の関わりを見てみましょう。

「減塩だけ」から「塩分補給も」の時代へ

日本の夏の暑さは厳しくなり、40℃超えというニュースもたびたび聞かれるようになりました。そんな猛暑の中、熱中症による病院搬送や死亡の数も増えています。熱中症が増えるなか、水分と塩分の補給が必要だという対策についても周知されるようになっています。

食塩といえば、「高血圧の原因」とか「摂りすぎは体によくない」と減塩のことばかりが目についたものですが、熱中症の影響でとくに夏は「塩分補給」という言葉をよく目にするようになりました。

学生に食塩について尋ねると、「熱中症対策に効果がある」「スポーツをするときは補給が必要だ」という答えが返ってきます。健康が気になる中高年は、食塩の摂りすぎは高血圧の原因であると刷りこまれていますが、若者にとっては熱中症対策やスポーツをするときに補給が必要なものとする向きがあり、食塩の捉え方が異なっているのかもしれません。

【写真】熱中症対策には塩分と水分が必須熱中症対策に必要な塩分。活動量の多い若い世代には、とくにその印象が強いようだ photo by gettyimages

生体維持に必要不可欠なナトリウム

食塩の成分のうち、生体に大きく関わるのはナトリウムです。生体に必要なミネラル(無機質)は約20種類あり、そのうち、ナトリウムは、カルシウム、リン、カリウムに次いで体内に多く含まれ、ヒトの体内には、約100gのナトリウムが存在します。そのうちの約4割は骨の成分として分布しますが、残りのほとんどは細胞外液という部分に存在します。

細胞外液では、ナトリウムは浸透圧*の調節、体内の水分量バランスの維持、㏗(水素イオン指数:酸性・アルカリ性の強弱を表す)の調節などに重要な役割を果たしています。また、胆汁や膵液、腸液などの消化液の材料であり、神経興奮の伝達や筋肉の収縮にも重要です。

*浸透圧:、濃度差のある溶液が接したとき、濃度を一定にするために薄い方から濃い方へ水が移動しようとする圧力。

激しい運動などで大量の汗をかけばナトリウムが失われますが、通常でも体内のナトリウムは尿や便、皮膚から失われています。そこで、損失した分(不可避損失量といわれる)を食事から補っています。

食事から摂取した塩分は、小腸で吸収され、ほとんど(99%)は尿中に排泄されます。その後、腎臓で、尿からナトリウムを再吸収することで損失した分が補われ、体内のナトリウム量が維持されています。通常の食事をしていれば、ナトリウムの摂取が不足することはないとされています。

では、塩分の主成分ナトリウムは、どのように体を巡るのでしょうか? 体内の"塩の道"をたどってみましょう。

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