安倍元首相の急逝で、「自民党の経済政策」に大きな変化が起きるかもしれない

岸田政権は「遺志」を継ぐのか?

金融市場、参院選の注目ポイント

7月11日に投開票が行われた参議院議員選挙では、自民党が改選議席での議席数を大きく増やした。参議院全体で過半数を大きく上回る議席を確保、両議院における与党の政治勢力は、より盤石になった。

もともと事前の世論調査では、野党の共闘体制が整わない中での、与党の優勢が伝えられていた。現政権への批判・逆張り姿勢が目立つ、野党第一党である立憲民主党への有権者の期待が高まらない状況は、昨年の総選挙とほぼ変わらなかった。

また、国民の関心事だった新型コロナ問題が足元で落ち着いていたこと、ウクライナ情勢の緊迫化で東アジアでの軍事リスクが意識されたことも、与党への強い追い風になったとみられる。

さらに選挙戦終盤で起きた安倍晋三元首相の銃撃という悲劇が、ダメ押しになっただろう。なお、昨年の衆院選で躍進した維新の会は、今回の参院選でも議席を伸ばした。ただ、自民党が票を上積みしたことが影響したのだろう、期待ほどの躍進には至らなかったようにみえる。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

もともと、今回の参院選において与野党の勢力図が変わる可能性は低かったので、金融市場の関心はあまり高まっていなかった。むしろ、参院選後に自民党内の政治的駆け引きが続くこと予想される中で、これまで目立った実績が少ない岸田文雄政権の経済・外交政策が、どう変わるかが注目されていた。

金融市場の観点では、安倍・菅義偉政権が重視していた金融財政政策が、岸田政権においてどの程度軌道修正されるかが特に重要になる。与党の勝利という選挙結果よりも、安倍元首相亡き後の、岸田政権の政策とそれに影響するだろう自民党内の勢力変化がより大きな材料になると思われる。

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