
アパレル業界に「DX革命」を起こした、 “オーダーメイド”の「ローコード開発」とは?
──あらゆる産業が労働力不足に加え、アナログからの脱却という課題を抱えていると言われています。アパレル業界の現況についてお聞かせください。
神田:DX化が遅れているのは事実です。もともと洋服作りは手仕事から始まりました。今も工員がパーツをミシンで縫って作ることには変わりませんし、シーズンごとに流行を取り入れたデザインの商品を作るため、生産の自動化が難しいのです。しかもそういった風潮のため、業界として「アナログな手作業」に誇りを持っている部分もある。それがDX化への取組みを遅らせたと言えます。
大手のブランドでは売り上げの一元管理や、バーコードを駆使した売れ筋商品の把握や分析は常識になってきましたが、生産部門など販売の手前の部分については、業界全体としてまだまだDX化が進んでいないように感じますね。
背戸土井:そういったDX化の遅れが、さまざまな問題を引き起こしています。第一はコミュニケーションの難しさ。特に何社ものお客様から問い合わせを受けたEC担当の社員が、いまの在庫状況がどうなっているのか手元で即時チェックできないという状況が発生していると聞きます。
また、商品サンプルの貸し出しでも、在庫チェックの負担が大きいため確認が間に合わないままお客様の要望に応えて次々と貸し出した結果、商品が行方不明になる事態も頻繁に起きていました。こうした問題は多くのアパレル企業に共通しているのではないでしょうか。

APASYSがもたらした変化
──業界としての特殊性があるとは言え、DX化は避けられない状況になってきたということですね。
神田:近年の人手不足や働き方改革の流れもあり、作業の合理化は避けて通れません。例えば弊社でも、予定の期日までに納品するのが難しくなった時は、誰かが残業して間に合わせるのが当たり前になっていて、根本的な解決策はないままでした。
しかし、若手社員を中心に、残業ありきのそうした状況に疑問を持つようになってきました。彼らのモチベーションを高めるためには、社員が働きやすい環境を整備することが急務だったため、なにかいい方法はないか探していた際、紹介されたのがインフォアイさんのAPASYSでした。