
アパレル業界に「DX革命」を起こした、 “オーダーメイド”の「ローコード開発」とは?
事務作業がわずか100分の1に
──同時に作業面での効率化も進んだのでしょうか。アパレル商品はひとつの商品を作るために様々なパーツが必要で、それらを選択し、発注するまでの作業にも膨大な手間がかかると聞いていますが。
神田:Excelや紙ベースで管理を行っていた時は本当に苦労していました。今は、個々のアイテムの検索から入荷や出荷の処理まで、APASYSならバーコードをスキャンするだけで行えます。こうした事務作業に要する時間は導入までに比べて100分の1以下になったと言ってもいいと思います。

──DXへの取り組みは単に従来紙ベースでやっていた作業をデジタル化するだけではなく、デジタル化によって何かを加速させることが大切だと言われます。御社の例で言えば、削減できた時間はどのように活用しているのでしょうか。
神田:考えることに費やせる時間が増えました。生産管理の仕事で言えば、生産工程における品質の管理やスケジュールの組み立て、企画部門ならクライアントへの提案の分析や研究に浮いた時間を回せるようになったことで、しっかりとした品質チェックやよりお客様の意向に沿った提案が可能になりました。お客様からも「インターテクスチャードの製品は安心だ」と言われる場面が増えました。今後はこうした変化が数字にも表れてくると期待しています。
APASYSならではの強み
──他方で開発サイドから見て、競合商品との比較でAPASYSの強みはどこにあると思われますか。
背戸土井:アパレル製品はボタンなど製造に必要なパーツの種類が多いのですが、例えば仕入れの際にはクリック一つでさまざまなパーツを発注できます。注文処理できるアイテム数も企画段階のものも含めて10万SKU、調達できるアイテムの種類は1,000 SKUまで可能です(SKU:在庫管理のうえで最小の品目数を数える単位)。

また先ほど神田さんも言及されていたように、従来はデザイナー、仕入れ、製造など担当ごとにExcelを使って製造の日程計画を管理していたのですが、APASYSではすべての流れをシステム上で一元管理できます。ここまでのサービスがパッケージとして組み込まれたシステムは、そう多くないと思っています。
実際にある大手アパレルメーカーの担当者からは、「Excelを使った管理作業や販売分析など、各人がバラバラにやっていた作業が統一ルールの下でできるようになった」という言葉をいただきました。