インフレで年金、健康保険に頼れなくなる中、どう生き残ればいいのか

トルコがやばい、そして日本も
大原 浩 プロフィール

問題は国債だけではない

インフレによる生活苦が、ただでさえ厳しい状態に陥っている「バラマキ」の要望をさらに加速させるであろう。

例えば、ガソリン価格の「激変緩和措置」は庶民にとって有難いが、そのための費用が天から降ってくるわけでは無い。しかも、ガソリン価格の上昇は当面続くであろうから、「激変緩和措置」のはずが「恒常的緩和措置」になってしまう可能性は非常に高い。

もちろん、個々の税収の取り扱いの問題は存在するが、全体的に見れば「財政支出を行えば、その資金を税収で補わなければならない」というのは大原則だ。

2021年度は税収が67兆円と過去最高となったが、歳出はその倍以上の142兆円であり、資金不足は75兆円にも達する。例えば年収500万円のサラリーマンが1000万円以上の支出をして、足りない500万円以上の資金を色々な形の借金で賄っていることを考えれば、どれほど異常な事態かよくわかる。

国家においても、足りない部分は国債を中心とする借金で賄うほかに手だてがないから事態は深刻だ。

 

ところが、7月10日に投開票を迎えた参議院選挙でも、この問題に正面から切り込んでいる政党は見られなかった。むしろ、消費税廃止や財政支出拡大という真逆の主張をして選挙民に媚びを売っているのは由々しき事態である。

民主主義の最大の欠陥である、「総論賛成、各論反対」による支出増大は止めようがないのかもしれない。結局とんでもない代償を払うのは政治家ではなく国民であるのだが。

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