2022.07.16
# ライフ

親の死後、自分の「老後資金」が無いことに気づいた…介護離職が招いた60代女性の「ヤバすぎる老後」

老後2000万円問題。コロナ騒動で一時休止をしていたようですが、今年夏以降、セミナーや取材・お客様よりの問い合わせが増えてきています。

コロナの実態が少しずつわかってきて不安が縮小したと同時に、本来の不安であった老後の資産形成について、考える方が増えたのでしょう。

今回はいくつかの事例も基に、この問題を考えてみたいと思います。

[PHOTO]iStock

老後資産形成の失敗(1):長生きリスク

「1年間に必要なコスト」×「寿命」+「イレギュラーコスト」

老後に必要なお金の公式は、簡単にいうとこれだけです。上記から「公的年金」と「自己資産」を差し引いたものが、「不足資金」となりますが、多くの方の計画で「寿命」の見積りが甘いと言っても過言ではありません。

私たちファイナンシャルプランナーの業務の中に「ライフプランニング」という、一生の収支を予測し計画を立てるお金の健康診断があります。その際重要なのが「寿命」です。私もお客様とお話をすると「自分は80歳くらいだと思う」とか「家系的に短命だから」とおっしゃる方が多いのですが、実際に下記のデータをお見せすると驚愕されます。

<男女別 人が亡くなる年齢>
~男性~
1位:男性88歳 女性92歳
2位:男性87歳 女性93歳
3位:男性89歳 女性91歳
4位:男性90歳 女性94歳
5位:男性85歳 女性90歳
6位:男性91歳 女性95歳  *厚生労働省令和元年簡易生命表
 

令和3年度発表の平均寿命は、男性:81.64歳、女性:87.74歳です。しかし、老後の資産形成をする際に、平均寿命で考えることはおススメできません。なぜなら、平均寿命には、残念ながら若くして亡くなった方の数字も含まれているからです。ですから、ある程度の年齢を超えて、老後の資産形成を考える時は、男性は88歳・女性は92歳で考えて頂きたいと思います。

しかし、昨年あたりからそれも疑問視しております。なぜならば、男性はこの3年1位が1歳ずつ更新しています。女性も90歳で亡くなる方よりも、94歳で亡くなる方が増えています。男性90歳・女性95歳で考えた方が安心かもしれません。

この実態が、長生きリスクと言われる理由ですが、実に多くの方が自分の寿命の見積りを誤る為に、結果的にお金が足りなくなってしまうのです。

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