安倍元首相が急死直前に語った「岸田首相とのラスト・バトル」と「その黒幕」

突如、銃弾に倒れ67歳で死去した安倍晋三・元首相。岸田文雄首相には、昨年の政権発足以来「ご意見番」として折に触れてアドバイスをしてきたが、人事などをめぐって対立する局面も少なくなかった。

そんな中、参院選直前の永田町で安倍・岸田両氏の間に緊張が走る事件があった。安倍氏を長年取材してきたジャーナリストの戸坂弘毅氏が、前編安倍晋三はなぜ『財務省』と戦い続けたのか…知られざる肉声を明かすに続いて緊急寄稿する。

安倍事務所での「怒り」

参院選公示直前の6月中旬、防衛省の事務次官人事を巡る騒動が持ち上がった。

安倍氏は、自らの首相秘書官を6年半も務め、厚い信頼を寄せている島田和久前事務次官の留任を強く望んでいた。しかし岸田官邸は「次官は就任2年までの交代が慣例」として島田氏を退任させ、同氏の同期で「上がりポスト」と言われる防衛装備庁長官を務めていた鈴木敦夫氏を後任に据えた。

これにより、「すわ岸田と安倍の決戦か」と永田町・霞が関に激震が走ったのだ。

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この次官人事を閣議決定する前日の6月16日、衆院第一議員会館の最上階にある安倍事務所を訪ねた岸田首相は、安倍氏からこの件について怒気を含んだ声で問い質されて驚き、その後、安倍氏がどこまで本気で怒っているのかを探るように、と周辺に指示したという。

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