2022.07.20

「ボブ・サップやシュルトも小学生が金玉蹴れば倒れる」一橋卒の空手家が“金的アリ”の格闘技を作ったワケ

小林 空 プロフィール

とはいえ、頭部への攻撃が脳挫傷を引き起こし、選手が命を落とす痛ましい事故が定期的に起こる。金的への攻撃にしても睾丸がつぶれれば悶絶するだけではすまないだろう。急所への攻撃が可能なルールは危険に思える。だが、浜井氏は安全性にも配慮していると力説する。

朝倉海も驚く専用グローブの性能

今年4月29日の「第1回全日本極真護身空手道選手権大会」では、36試合が行われた。浜井氏によれば、転倒によるけがはあったものの、金的攻撃によるけが人はゼロ。顔面を殴られ、軽く鼻血をだした選手が出た程度だったという。安全な試合運びに一役買ったのが、選手が着用を義務付けられた浜井氏考案のオリジナルグローブとファールカップだ。

ドラグローブは体重別につけるグローブの大きさが規定されている

極真護身空手道では某キャラクターの頭に似ていることから「ドラグローブ」と名付けられた、大きく丸い先端部を持つグローブを着用して試合を行う。打撃面が柔らかく、衝撃が逃げやすいのが特徴だ。当たってもほとんど痛みがないという。このドラグローブは、総合格闘家でYouTuberの朝倉海氏が自身のYouTubeチャンネルでその効果を紹介し、話題にもなった。

 
 

「約10年前、極真会館時代の後輩だった廣重毅(故人、元極真会館城南支部長、極真拳武會初代館長)が顔面打撃の練習用につくった柔らかいグローブに改良を加えたものです。

最初は改良前のグローブを20セットほど購入して練習に使っていました。これはいいぞと思っていたのですが、欠点がわかりました。

40年来の付き合いのある、カシミボクシングジム(石川県金沢市)でこのグローブをウェルター級のプロボクサーのスパーリングに使ってもらったんです。そのとき会長の樫見直幸さんから『浜井さん、このグローブ、柔らかすぎる。もうちょっと固くないと危ないよ』といわれまして。要するに、大人やプロ選手が使うと、真に当たったときに拳が浮き出るくらい柔らかかったんです。

そこで打撃面を少しだけ硬くしたものを作ることにしたんですよ。そうしたら、顔面に当たっても骨が折れたり、まぶたをカットして出血したりすることが少ない、鼻血も出にくい。安全に顔面を殴れるドラグローブができあがりました」

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