41歳の山上容疑者は「キレる17歳」世代…氷河期「アンダークラス」の高齢化が招く恐るべき未来

安倍晋三元総理を自作の銃で殺害した、山上徹也容疑者(41歳)。その背景について、「民主主義への挑戦である」あるいは「家族の宗教問題が原因である」など、さまざまな議論がなされている。一方で、山上容疑者はいわゆる「氷河期世代」の一員でもあり、社会・経済的な動機も皆無とは言えないだろう。

前編記事山上容疑者の凶行を『民主主義の危機』『宗教問題』で終わらせることへの『強烈な違和感』に続いて、その周到な犯行の背後にあるものを分析する。

「キレる17歳」の世代

かつては、多くの人を殺めたり、要人を襲撃したりする犯人の心のうちには、ある程度わかりやすい恨みや憎しみの物語、あるいは社会状況や格差に対する義憤があった。

だが山上の行動には「個人的な苦しみを、その一因である統一教会ではなく、国家権力者の安倍元総理にぶつけた」という飛躍がある。その点で、ストレートな怨恨や政治犯ではない、屈折を経た「テロ」に近い犯罪とも言えるだろう。

単に恨みを晴らしたかったのであれば、やはり統一教会の幹部や関係者を狙ったはずだ。しかし山上は「安倍元総理を狙えば、教団への非難が高まると考えた」とも話しており、暗殺による社会的なインパクトも考えていたと思われる。

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つまり今回の事件には、安倍元総理という「日本で最も有名な人物」を狙うことにより、統一教会への注目を高めようとした「劇場型犯罪」の側面もあるのだ。

山上と多くの共通点をもつ凶悪犯がいる。'08年6月8日、東京・秋葉原の交差点にトラックで突っ込むなどして無差別に7人を殺害、10人に重軽傷を負わせ、現在は死刑囚として服役している加藤智大だ。

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