2022.07.24

「室温28度」のワナ…「7万円の光熱費」の節約で「4000万円の損」が出た意外なワケ

川口 友万 プロフィール

最新式のエアコンに入れ替えるのがベスト

節電には住環境に手を入れる必要があると伊香賀氏。

「クーラーは新しい機種の方が省エネ設計が進んでいます。10年とか15年したらどうせ取り替えます。いずれ取り替えるわけですから、その取り替えるタイミングを早めて、省エネ性能のいいものにする。我慢の省エネをしなくても、もっと節電ができます」

エアコンメーカーの三菱電機に聞いたところ、エアコンの標準的な使用期間は10年。必ずしも10年を超えたら即座に買い替えが必要ではないが、修理のための部品保有は9年。10年以上使用したエアコンは、故障した場合、修理の対応が難しくなるのだそうだ。

半数弱の家庭で、10年選手20年選手のエアコンが使われている。あきらめて買い替えた方が電気代もお得に
画像提供:三菱電機 https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/kirigamine/special/oshiete/

では28℃を押しつけるより、エアコンの買い替えに補助金出した方がよほど有効なのでは?

「家庭用にはいろいろあります。国から自治体レベルまで省エネマークがついている家電にはポイント還元を行うとか、商品券的なものですが。法人に対しても経済産業省や環境省、国土交通省などで色々やってはいます。補助金を出したり、固定資産税の減免とか融資とか財政的な面での施策も何十年とやっているんです。ただなかなか手が上がらないそうですね」

 

当たり前ではあるが、あくまで補助金であり節税であって、入れ替え費用が全額出るわけではない。なかなか腰が上がらないのも道理である。しかしエアコンを新しくすれば、電気代は半分、28℃設定で無駄に人件費を払う必要もなくなり、社員も気持ちよく働くことができる。残業代が大幅に浮くことがわかれば、冷暖房のリプレイスを考える法人は多いのではないだろうか。

「いいエアコンだったら、電気はあまり消費しないので節電にもなる。快適な環境で無駄にだらだらと職場にいないので、健康にもいい」

また建物も断熱材を十分に使った新しい建築の方が冷暖房が効果的に使えると伊香賀氏。

「昔の団地は断熱材をほとんど使っていません。昼間は当然暑いのですが、夜も暑い。昼間の熱が室内側に出てくるのに10時間ぐらい時間の遅れがあります」

昼間、建物を熱くした熱が夜になってじわっと室温を上げるのだそうだ。

「一般的には昼間が36℃でも朝方は24℃で、室内温度もそれに従います。しかし古いコンクリートの団地は昼間の温度の上がり方は、あの木造の住宅より、低めには抑えられるんですが、それでも30度、夜中も30度、一晩中24時間ずっと30度です」

つまり古い住宅に住んでいると、夜、熱中症になってしまうのだ。それを避けるために冷房が入れっぱなしになり、節電したら熱中症という、とても効率の悪いことになってしまう。

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