見守りカメラ、スマートリモコン…「親の遠距離介護」の不安・負担を減らす「介護のIT化」最前線
介護は今、ここまで進化している
日本は1970年に「高齢化社会(65歳以上の人口が全人口の7%以上)」に突入して以来、1994年に「高齢社会(同14%以上)」、2007年には「超高齢社会(同21%以上)」と急速に高齢化率が進み、65歳以上の人口は2025年に全体の約30%、更に2060年にはなんと高齢化率約40%になるという予測がでています。
少子化、介護人材も足りない。そんな日本の現状を踏まえ、今、期待と注目を浴びているのが「IT(情報技術)」「ICT(情報通信技術)」などを導入した介護です。

皆さんは普段からIT、インターネットなどの通信技術を使い、メールや様々なツールを使って他者と自由に交流していることと思います。それによりテレワークが可能になったり、いまやオンライン会議も珍しくなくなりました。
一方、親の通信手段はどうでしょう。もしかすると、いまだに親との通信手段は「固定電話」だけということはないでしょうか。
コロナ禍により人が自由に移動できないことが標準となってきた今、アナログと言われる介護業界にもようやくIT導入が進んできました。
例えば、コロナに感染した患者の病室や居室に簡単に入れない時、また夜間の見守りの際に睡眠を妨げないため、センサーによる体温の感知や映像で安否を確認する施設も増えてきました。
こうした技術の導入によって介護職員の負担が減ったことは言うまでもありませんが、今後ITによるコミュニケーション、介護や見守りが「各家庭」におりていき、要介護状態の高齢者や介護をするご家族にとって大きな役割を持つと予想されます。
ところで、ある日突然、親やご家族が認知症や介護状態になったらあなたはどうしますか? 仕事は? 住まいは? 資金繰りは?……と不安でいっぱいになるのではないでしょうか。
2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると言われている今、「自分の親だけは、いつまでも元気でいてくれるはず」という幻想は捨てましょう。それより、いざという時に慌てないための心構えと、在宅介護における準備をする方が賢明です。