9000万円で購入したタワマンがなかなか売れない…30代夫が他人には言いたくない「本当の理由」

男女二人組が抱えていた複雑な事情

ふだん、おもに首都圏のマンション市場に関するさまざまな分析や情報を発信している私は、一般の方からマンションの購入相談を承ることも、業務のひとつにしている。

どんな方がどういうニーズで、どのようにマンションをご購入になるのかを知る、いい機会になるからだ。

「この新築マンションを買いたいのですけれど、どう思われますか」

 

そんな悩みを抱えて、私のところに物件資料をもって相談にやってきた30代の男女二人組には、どことなく陰があった。

検討している物件は悪くない。その時点で価格は1億円とちょっと高めだったが、市場は上昇気味なので、引渡の頃には割高感が薄れている可能性もあった。

ところが、資金計画を聞くとちょっとした問題が浮かび上がってきた。男性が以前住んでいたタワーマンションを売却した資金を、購入代金の一部に充当したいとのことだったが……。

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「そのマンションは、もう売り出しているのですか?」

「いえ、それがまだ……」

何か複雑な事情がありそうだった。

もしや、と思って尋ねてみた。

「そのマンションの所有者はどなたになっていますか?」

男性は、かなり答えにくそうであったが、少しずつ話してくれた。

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