グラハム子さんは育児漫画やエッセイ漫画を様々な媒体で連載し、Instagramでは10.5万人フォロワーを持つ2児の母。過干渉な義母やモラハラ夫など、周りにいる困った人をコミカルに風刺した漫画『美淑女戦隊オバサンジャー』に続き、最新刊『親に整形させられた私が母になる エリカの場合』(KADOKAWA)が発売された。

ユーモアあふれる前作とは異なり、実の母親に整形を強要され、「親にとっての理想の子」になるべく育てられた主人公・エリカが、母親の呪縛から逃れるまでを綴ったシリアスな作品は、グラハム子さんの実体験に基づいて描かれているというFRaUwebでは、親との確執や、感じてきていたことなど、グラハム子さんの過去を振り返っていただく描き下ろしエッセイを、漫画無料試し読みとともに短期連載でお届けする。

20代までは母親に認められたい一心で言うことを聞き、その価値観にがんじがらめになっていたが、大学に入り一人暮らしを始め、母親と距離を置いたことで「自分基準で決めてもいい」ということに気づいた主人公のエリカ。なぜ自分の環境が「普通ではない」ことに気がつかなかったのか……。漫画のエピソードに合わせ、当時のグラハム子さんの心情を綴っていただいた。

自分の好きなものを否定された過去

母の価値観に従って生きてきた私でしたが、20代で『自分の価値観の歪み』に気付いてからの人生は、今までとは全く違うものでした。同じ世界を生きているのに、別の世界に生きているのかとさえ思うような感覚でした。

 

振り返ってみると、私の思考は、それはもう色々な部分で歪んでいたと思うのですが、その当時、私が一番実感した歪みは「白黒思考」でした。白か黒か。100か0か。敵か味方か……ずっとこんな考え方で生きていました。

『親に整形させられた私が、母になる』グラハム子/KADOKAWA

例えば人間関係でいうと、9割の部分は気の合う友人がいても気の合わないところが1割でもあると、嫌な奴・敵のカテゴリーに入れてしまう。9割もある「気の合う部分」が無いものになってしまうんです。だから正直、世の中のほぼ全員が嫌な奴・敵カテゴリーでした。こんな環境では、安心できるわけがありません。いつもストレスを感じていました。

なぜこんな考え方になってしまったのがろう? と考えると、思い出すことがいくつかあります。一番古い思い出は小学校低学年の頃です。私は某アニメが好きだったのですが、母に「お母さんはそのアニメ嫌い。これを好きと思うあんたはセンスが悪い」と言われたことがありました。こう言われた時、(このアニメを好きな私はダメなんだ……)と感じたのを覚えています。