世界の大学ランキングを見ると、日本の立ち後れが目立つ。とくに、コンピュータサイエンス分野では、アメリカに比べればもちろんのこと、韓国に比べても著しい差がある。
日本の未来を切り開くには、補助金をばらまくことではなく、大学を改革することが急務だ。
経済的地位より低い日本の大学の世界的地位
イギリスの高等教育評価機関クアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds:QS)が、2022年6月9日、世界大学ランキング2023を発表した。
このランキングは、THE(Times Higher Education)によるランキングと並んで、世界で最も信頼性が高いものと評価されている。
これを見ると、世界における日本の大学の位置がどのようなものかがよく分かる。
2023年版で世界のトップ100位以内に入った大学は、日本は5校だ(世界第23位の東京大学、36位の京都大学、56位の東京工業大学、68位の大阪大学、79位の東北大学)。
GDPでは、日本は世界の5.9%のシェアを占める。これと比べると、トップ100校の中での日本のシェア(5%)は低い。
■図表1 大学のランキングと経済力の比較

日本の経済力が低下し、世界におけるシェアが低下していると言われる。しかし、それよりも、大学における国際的な地位のほうが低いことになる。
日本はその経済力にふさわしい「大学力」を持っていないのだ。