私たちのふだんの行動軸をベースに、未来を変えるアクションを集めました。今回は、「学ぶ」アクションの中から、書店が開催するトークイベントについてご紹介します。

今こそ、みんなで話そう。
書店イベントの意義とは?

環境問題や社会問題、世界情勢……。気になることや知りたいことは様々あれど、何から始めていいのかわからない。そんなときにおすすめしたいのが、書店が開催するトークイベント。コロナをきっかけに多くの書店がオンラインイベントを行うようになり、自宅に居ながらにして、気になる本の著者やゲストの声を聴けるようになった。

5月9日に開催された『酔っ払いは二度お会計する』の著者・田中開さんと、〈B&B〉共同経営者で、飲み友達でもある嶋浩一郎さんの対談イベント。酒場での出会いなど、お酒を飲みながら聴きたくなる楽しい会だった。

東京・下北沢にある〈本屋B&B〉は2012年の開店当初からほぼ毎日トークイベントを開催している。取り上げるテーマは多岐にわたるが、ジェンダー問題や差別、ジャーナリズムなど、SDGsに関するものも多い。

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「小さな新刊書店ですから、扱える本の量は限られます。でもだからこそ“鮮度の高い”ものを厳選して出すぞという明確な意志を持っています。イベントでは、『今、みんなで話したい、考えなければ』というテーマを選ぶことも多いです」と代表の内沼晋太郎さん。社会的で、やや重いテーマであっても、「カジュアルに聴ける」ことを大切にしている。

「イベントに参加しても答えがあるわけじゃない。登壇者の意見や参加者の質問に触れると、自分はどうだろう? という疑問が湧く。それがイベントの醍醐味。自分の頭で考える出発点になれたらいいなと思っています」

〈本屋B&B〉
独自の文脈で本をセレクトする新刊書店。ビールやソフトドリンクを飲みながら本を選べる楽しい空間。状況に応じてリアル&オンラインイベントを開催。
東京都世田谷区代田2-36-15

2022年に開催したイベントは?

相川千尋×北原みのり
女性たちの声を聞くこと
―DVや性暴力に抗うために

『真っ赤な口紅をぬって』ペリーヌ・ル・ケレック(著) 相川千尋(訳)/新泉社

フランスの詩人・小説家が性暴力の女性被害者たちに行った聞き取りをもとに執筆したフェミニズム詩集を起点に、日本語版の翻訳者と解説者が対談。日仏のDV被害の現状や「なかったことにされてきた女性の声」に耳を傾ける重要性について語り合った。アダルトビデオの撮影や公表で生じた被害を救済するための「AV対策新法」についても熱い議論が巻き起こった。

鞍田崇×高野賢二×羽塚順子
『民藝×福祉』という、
懐かしく新しい地域創生

『ウェルフェア トリップ/福祉の場をめぐる小さな旅』羽塚順子/アノニマ・スタジオ

多様な人が交ざり合い、支え合い、人としてのあり方、生き方、働き方を問いかけてくる共存の場。そんな各地の障害者施設、少年院などを紹介した本を題材に、民藝と福祉という切り口でトーク。研究者で民藝関係の著作もある著者と福祉の現場に携わるゲストが、お互いの活動と接点、可能性を語った。福祉を起点として様々な人が繋がり、地方が再編成していく話など。