「インフレ後の世界で日本だけがダメになる」経済学者クルーグマンの最終通告

アメリカは回復。一方、日本は…

ポール・クルーグマン。2008年にノーベル経済学賞を受賞。現在はニューヨーク市立大学大学院センターの教授を務めるほか、『ニューヨーク・タイムズ』のコラムニストとしても知られる。今日、世界で最も影響力を持つ経済学者の一人である。

IMF(国際通貨基金)は7月26日、「世界経済見通し」の中で、今年の世界経済成長率は3.2%に減速する見込みと発表。新型コロナウイルスの再拡大やロシア・ウクライナ戦争、そしてインフレの加速などを背景に景気後退入りの恐れがあるとした。

​ますます混沌と化す世界――クルーグマンは取材を通じて、特に日本経済に対して強い懸念を示し、「警告」を発した。

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いつまでインフレは続くのか

今、世界でどの国も頭を抱えているのがインフレの危機です。

とりわけアメリカのインフレの勢いは凄まじく、今年6月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比の伸び率9.1%でした。この数値は第2次オイルショック後の'81年12月以来、約40年ぶりの高水準です。

もしかすると、近いうちにインフレ率はもう一段階上昇する可能性もあります。他の企業が値上げをすると思われるから、自分の企業も値上げをする。この「インフレ予想の定着」と呼ばれる現象と、それに付随する便乗値上げが予測されます。

 

ただFRB(米連邦準備制度理事会)も黙ってはいません。今年6月に開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、約27年半ぶりとなる0.75%の大幅な政策金利引き上げを決めました。このインフレ抑制の努力は、すでにアメリカの住宅ローン金利の上昇などの形で表れています。

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