激甚化する夏の大雨…荒川大決壊で起こる「首都水没」の悪夢

東京の下水が危ない(前編)

「大都市は大丈夫」という「間違った」思い込み

「まず、日本の大多数の人が勘違いをしていることを指摘したいと思います。それは、東京や大阪といった大都市には、十分なインフラ整備ができているので水害が起こらないのだ、という思い込みです。

整備が行き届いていないから地方都市で被害が出ているのではない。現に東日本を縦断した'19年の台風19号では、東京は極めて危機的な状況でした。

荒川の数ヵ所で堤防決壊が起こる寸前で、もし台風のスピードや進路が少し変わっていたら、死者数千人、首都機能が麻痺する大災害となるところだったのです」

河川工学を専門とする早稲田大学理工学術院教授の関根正人氏は、こう語る。

 
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ここ数年、水害の話を聞かない夏はない。

線状降水帯ゲリラ豪雨超大型台風……。「1000年に一度」のはずの大雨が毎年発生している。今年も間違いなくそうしたレベルの大雨は降る。ところが、その備えは先延ばしにされているのだ。

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