15歳の息子が病気で天国に旅立ってから、先日まる8年になったという高清水美音子さん。その6年後、再婚した夫がやはり病気で天国に旅立ってしまった。そして夫の告別式で歩き方を指摘され、検査をした結果診断されたのが「多系統萎縮症」という進行性の難病だった。53歳のときだった。

一度は息子や夫の後を追うことも考えた高清水さんが、「仕事をしたい!」と思えるようになったのは、過去の日記を見たことだった。そして、これまで週刊誌の編集や教育誌のライターを長く務めてきた経験を活かし、編集やライターの職種での障害者雇用がないかを探し始める。しかし「やりたいこと」「できること」を見る就職活動が少ないことに、大きなショックを受けた。

体験を経て、障害者雇用の現実を伝える連載の第3回は、いよいよ希望の職種の採用試験に挑んだときのことをお伝えする。

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53歳という年齢の壁も

エージェントに言われて行った事務職の面接は、さんざんだった。余計にライター案件を探そうという気持ちがわいてくる。
「ライター案件しか受けません!」というわたしに、無視を決め込むエージェントの方がほとんどだったが、数少ないけど、持ってきてくれたキャリアアドバイザーもいた。最初、かなり強引に事務職案件3つを持ってきたBさんは、

「オープンになったばかりなんですよ」

と、ライター案件を、持ってきてくれた。わたしに来たということは、雇用主は「年齢で差別しちゃいけないよ」というルールを、守っているのだろう。経験者募集だし。課題文を出せというので、Bさんとふたりで、いろいろ考えながら、お題に対する課題文を書いた。でも結果は、お見送り(この業界では、不採用をお見送りと言う)。

Bさんにも相談をしながら、課題文を頑張って仕上げた Photo by iStock

Bさんは、「なぜですか!」と、クライアントに詰め寄ってくれたそうだ。結果は、つまり年齢的なところ。募集では年齢ルールを守っていても、いろんな理由を付けて、採用しませんでした、とする、隠れ年齢差別の抜け道って、あるよねー。年齢、それ言われちゃあ、どうしようもない。

「せっかく、課題文もふたりで頑張ったのに……」
と言ってくれる。そんなあなたの紹介で、就職したかったな。

そうか、年齢というのも、デメリットのひとつね。
このころは、毎日毎日、ネットで検索、お仕事探し。