私たちのふだんの行動軸をベースに集めた“未来を変える”アクション。毎日の暮らしの中で、できそうなこと、やりたいことから探してみましょう。今回は、「旅する」アクションの中から「サステナビリティを追求した土地を旅する」ことをご提案します。

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町との交流が始まる、
瀬戸内海の商店街へ

向上寺の展望台から。国宝の三重塔越しに、斜面に沿うように瓦屋根の家が立ち並ぶ、昔ながらの瀬戸田の古い町並みと、静かな瀬戸内海を望む。

尾道から、しまなみ海道を走って3つ目の生口島。穏やかな海を眺める瀬戸田の町に、しおまち商店街はある。フェリー乗り場のある瀬戸田港から耕三寺まで約600m続く道沿いには、名産のレモンを売るお土産屋や小さな飲食店が50店舗ほど。

商店街でひときわ賑わう〈岡哲商店〉。かわいいおばあちゃんが揚げてくれるお肉屋さんのコロッケはサックサク。1個100円。広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田517-4 ☎0845-27-0568
「コロッケは、揚げたてだよ~」気さくに話しかけてくれるのも嬉しい。

昭和風情の町並みが残る商店街が、ここ数年、より魅力的に変わり始めている。

しおまち商店街の小道を挟んで、右が〈Azumi Setoda〉で、左が〈yubune〉。町に溶け込んだ2つの施設を、スタッフも行き来している。普段は静かな商店街だが、自転車やグランピングなどを目的にした人で多くの往来がある。

2021年3月、商店街に開業した旅館〈Azumi Setoda〉と銭湯〈yubune〉。世界のラグジュアリーリゾートを手がけた伝説のホテリエ、エイドリアン・ゼッカが、この豊かな土地に魅せられてつくり上げた独自の解釈の日本旅館だ。

〈Azumi Setoda〉は、町の宝ともいえる伝統建築を残して設計された。昔の技術が集結した天井の梁や窓のサッシも残されている。

建物は、約140年の歴史がある「旧堀内邸」を、家屋の伝統を残しながら改装。製塩業で財を成した当主の家は、かつて地域のシンボルとして親しまれていたという。

6mの垣に囲まれたダイニングの中庭は、蹴鞠の際の鞠垣から着想。

そうした人々の想いの歴史も残したいと、地元の人も集えるように、それまで町になかった銭湯を向かいに新設。ここに客室を備えた施設が〈yubune〉となった。