2022.08.18

農協にまん延する「過大なノルマ」と「不正販売」

顧客を食い物にするJA職員たち
農業協同組合(JA)は、元来、営利目的ではなく、「経済的に弱い立場にある組合員の生産や生活の向上のため」に設立されたものだ。しかし、そんなJAが、今や共済(保険)事業と信用(銀行)事業に依存し、職員に過大なノルマを課しているという。そして、その結果、現在、多くのJAで「不正販売」と「自爆営業」が蔓延っている。
JAで、一体なにが起こっているのか。なぜそのような事態になってしまったのか。元「日本農業新聞記者」窪田新之助氏の新刊ルポタージュ『農協の闇』から、3回に分けてご紹介します。 

客に損させるのが当たり前

JA職員から話を聞かせてもらおうとしていたのは、後ほど詳述する「JA共済」の過大な販売ノルマと職員の自爆営業の実態についてだった。ところが、取材は途中から思わぬ方向へと進んでいった。待ち受けていたのは、JAグループを包む、当初想定していたよりもずっと深い闇である……。

「うちの農協で共済を推進する職員のなかで、お客さんが不利益を被る営業をしたことがない人はまずいないはずです」

こう打ち明けてくれたのは、「JAとぴあ浜松」(静岡県浜松市)の職員Aさんだ。Aさんは、共済商品を営業する「ライフアドバイザー(LA)」という専門職に就いている。また「推進」という協同組合ならではの言葉も随所に出てくるが、実質的には営業と同じ意味と思ってもらって間違いない。

では、顧客に不利益をもたらす共済商品の内容と、その営業の手口とはいったいどのようなものなのか。Aさんの証言をもとに話を続けよう。

 

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