ポッと上気した頬を表現するチークにぽってりとしたツヤの唇。“イガリメイク””おフェロメイク”で女性誌を席巻した後、2018年には、自身のコスメブランド“WHOMEE”をデビューさせ、大ヒットを記録。メガネブランド“JINS”とコラボしたアイウエアが、瞬く間に完売するなど、ヘアメイクアップアーティストのトップランナーのイガリシノブ。後編では10年以上、第一線で活躍し続ける彼女が考える「仕事とお金」について。

前編:人気ヘアメイク・イガリシノブ42歳が「体外受精一択」で妊活に挑んだ理由

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「自分は特に優れていない」から柔軟になんでもやってみる

「今の時代はどんな仕事でもルーティンを真面目にこなすだけではなく、プラスアルファの工夫が必要なんだろうなと感じています。私の場合はいろんなメディアを使ってメイクを発信したくてTikTokを始めたのですが、そこでは私がヘアメイクとして理論を語るよりも、おしゃれなTikTokerがポンポン!って自己流のメイクをしている姿のほうが喜ばれたりもする。メイク提案はもはや写真よりもYouTubeが伝わりやすいのかなと実感している部分もあり、求められるニーズに柔軟に対応していく方法を常に考えてます」

人中(鼻と唇の間)を短く見せる方法、ほうれい線を目立たなくする方法。彼女がSNSなどで提案するテクはどれも、私たちの日常的な悩みに寄り添うものばかり。

「私は自分のメイクのテクニックが特別優れているとは思っていません。すごい技術を持っている方はいっぱいいるので、そこで勝負しようとも思わない。ただ、一般の女のコを可愛くしたいという気持ちでは、抜きん出ている自負があります。私自身、リアルな悩みがたくさんあるので。SNSで質問されたことや自分の悩みを落とし込んでメイクを提案したときに、喜んでもらえるのは本当に嬉しい瞬間です」

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アンチの声が聞こえてきても「弱ってる暇はない」

売れっ子ヘアメイクとして表舞台に立ち続けるということは、その分、アンチの声も聞こえやすくなる。そこが辛くなることはないのだろうか。

「あんまり気にしていないですね。なにかしつこく言ってくる人がいても、『私のこと、好きだよね〜』って思うだけ(笑)。私は完璧でもなんでもなくて、ダメなところもいっぱいあるから、批判されるのは仕方ないかなとも思うし。それに多少炎上しても、今って情報が過多だから、私の話題なんてすぐに流れてどこか行ってしまうでしょ。いちいち悩まなくていいかなって。

もともと強い人間ではないけれど、子育てもあるし、“WHOMEE”ももう5年目で飽きられないように戦略を練っていかないといけないし、弱くなっている暇はないんです。でもそれってすごく幸せなことで、人間って考える時間が多ければ多いほど、些細なことで悩んでしまうじゃないですか。考える暇がないくらい動いていれば、どんどん次のことがやってくるし、悩みだってどうでもよくなるから」